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2005/02/13

大人への扉

昨日12日、NHK-BS2での「永遠のフォークソング名曲集」を
じっくり見た。この番組があることは出演者・「猫」の
常富さんのblogで知っていたので、
何日も前からわくわくして待っていた。


出てくる曲は、私が生まれる前の60年代、あるいは幼児の頃の
70年代のものが主なので、リアルタイムで知っている、という
ものはあまりなかった。でも、学校で歌ったり、ラジオなどで
聞いてきた曲…。歌い継がれるにふさわしい、美しい
メロディと重みのある詞を持った、「珠玉の名曲」、
「珠曲」(しゅぎょく)ばかりが並んでいたので、
じっくりと堪能した。

昨日見た中で、改めて私の心を大きく揺さぶったのが、
村下孝蔵さんの「初恋」と「春雨」だった。村下さんは
数年前、まだ40代の若さであっけなく他界してしまい、
もう彼の歌を生で聞くことはできない。だから、彼の
曲はビデオで流された。

「初恋」を初めて私が聞いたのは、おそらく小学生から
中学生になる頃だった。中学生になる、というのは、今も
昔も、精神面でも周囲の環境面でも、「大人への扉」の
前に立つ時期になる。私も、ジャニーズのアイドルに
キャーキャー言うのを卒業して、じっくり詞と曲を味わえる
「アーティスト」の曲が聞きたい、と思うようになっていた。

そんな時期の私の耳に飛び込んできた、「初恋」の詞と
メロディ。「今の私たちの気持ちを表している。大人でも
その頃の気持ちを覚えていて、歌にしてくれる人が
いるんだ」と、大変印象に残った。それから、彼の作る
繊細な世界に強く心がひかれていった。

そして、この時期と重なるが、私の心をぐっととらえて
離さない、別の歌声も存在していた。それは、LOOKの
「シャイニン・オン 君が哀しい」。

LOOKとは、男性4人のバンドで、鈴木トオル(Vo)、千沢仁
(Vo&P)、チープ広石(Sax)、山本はるきち(Key)という
面々。この「シャイニン・オン 君が哀しい」でEPICソニー
からデビュー、スマッシュ・ヒットを飛ばした。

このバンドの曲は、鈴木さんのハイトーンボイスと、
千沢さんの骨太なボーカルがミックスされていて、
独自の世界を持っていた。私は、まだ中学生で、
女の子ということもあり、ライブに行くことは許して
もらえず、アルバムを買ってきてひたすら聞き、
友達に良さを宣伝し、TVで、ラジオで、曲を追い
かけていた。

LOOKは数年後に解散してしまったのだが、
鈴木さんはソロで活躍している。他の人の消息は
わからないままだったのだが、
2003年3月、作曲家・林哲司さんの30周年記念
ライブを見に行った時、チープ広石さんが出てきた
のには、心臓が止まるほど驚いた。彼は今、
林さんともうひとり加えて3人で、「グルニオン」と
いうバンドを組んで活動しているのだという。

そもそもこのライブには、私が長年大ファンの、稲垣潤一さんが
ゲストだから出かけたのだが、まさかその頃同じ
ように好きだったおふたりが、長年の時を経て同じ
ステージに立っているなんて、夢を見ているよう
だった。言いようのない感動が私を包み、「生きて
いて良かった!」と心から思うことができた。

「大人への扉」を開ける時期は、人それぞれ違う。
そして、開けるきっかけになるものも、人によって
違う。私のパートナーにとっては、それは「猫」で
あり、「TULIP」であったように、私にとっては「村下
孝蔵さん」であり、「LOOK」であった。だから、今でも
彼らの曲を聞くと、心の中で、少女だった私に戻る
ことができる。

今、多感な時期の子どもたちと毎日向き合う仕事を
している私は、それぞれが「大人への扉」を開けて
いく様子を見られるのが楽しみでもある。そして、
そんな時期だからこそ、小さなサインでも見逃さぬ
ようにと、身の引き締まる思いで仕事をしている。

【補足】
稲垣さんについては、また機会を改めて、私の思いを
書きたいと思っている。

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コメント

「永遠のフォークソング名曲集」私も観ていました。
NHKはこの手の番組(昔を懐かしむ)が好きだなぁとちょと苦笑しつつでしたが。
でも今回はゲストの方々も現在の新しい活動を携えての元気な出演でしたね。
再結成の「猫」、新ユニット「Song For Memories」など。これからが楽しみですね。
まずはスマトラチャリティコンサートですか。

去年旭川で大野真澄さんのLIVEがあった折、ゲストに沢田聖子さんがいらして
村下孝蔵さんの思い出を語り歌ってくれました。
その人が残した形あるものは、その人を知る人にとってはいつまでも忘れられないものとして残るのでしょう。
ものを作り出せるというのは幸せなことだと感じます。

投稿: SHIMA | 2005/02/14 10:18

コメントありがとうございます。
「Song For Memories」は、
先日「夢・音楽館」にも
出ていましたね。(クミコさんと
一緒に)

30分があっという間に感じられ、
「えー、もう終わり!!」と
エンディングでがっかりしました。

投稿: つきのみどり | 2005/02/14 17:52

村下孝蔵さんは"猫"解散後,石山恵三がずっと一緒に仕事をしていました。先日のNHKの収録の時も彼の映像がモニターに流れると,じっと見つめていました。鈴木トオルさんは存じなかったのですが,林哲司くんは僕がプロデューサー時代に担当した"杏里"の楽曲"悲しみがとまらない"を書いてもらって,その後も"You are not Alone"という大好きな曲も書いてくれました。最近はあまり交流が無いのですが,久しぶりに会ってみたいですね。「グルニオン」も聴いてみたいです。いくつかの"扉"が開く時の小さな音ぐらいは僕にも届いていたのかもしれませんね。

投稿: tzneyan | 2005/02/15 11:49

コメントとTBありがとうございます。
そう言えば12月のSTBのライブでの石山さんの
ご紹介で、村下さんのお名前が出て、
ドキッとしたのを思い出しました。

林さんといえば「悲しみ3部作」
(「悲しい色やね」、「悲しみが止まらない」、
「悲しみがいっぱい」-ご本人)ですよね。
杏里さんのことはまた私なりの思い出も
あるのですが、これはまたお目にかかれた
時などにお話できたら、と思っています。

投稿: つきのみどり | 2005/02/15 23:10

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