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2005/03/19

「AERA」最新号(Vol.016)「帰国子女知られざる悲哀」について

ちまたは連休なので、いつもは月曜日にお目見えする
「AERA」最新号(Vol.016)が、早くも店頭に並んでいる。

帰国生の問題は、私も2004/10/05と10/11の
メルマガで考えたことがある。本当にその生徒ひとり
ひとりで抱えている問題、家庭環境などが違うから、
誰とも「全く違う勉強」をしなければならないのが
大変。中には、頑張ろうとすればするほど空回り
してしまい、カウンセラーや精神科のお世話になる、
かわいそうな子どもも少なくない。

ここまで事態が悪化しなくても、親・教員など
子どもを取り巻く大人は、悩む子どもの背中に
寄り添い、その子にあったケアと勉強ができる
よう務めなければならない。

もちろん、その指導とケアには時間がかかる。
日本で生まれ育った赤ちゃんだって、いきなり
文章が話せるようになるわけではない。だから、
子どものやる気の芽が出るように水を与え、じっくり
待つしかない。

指導していると、親の中には「年相応の日本語が
使いこなせない我が子が哀れだ」と思うのか、
子どもの作文などを代わりに書いてくる人がいる。

これは「子どものため」と親は言うのかもしれない。
でも、本当に子どものためを思うのなら、「やり方」を
教えることはしても、「代わりにする」ことは絶対に
とってはならない手段だろう。

なぜなら、子どもの力はこれでは決して伸びないの
だから。こういう人は、「子どものため」と言いつつ、
実際は「自分が”指導力不足"だと言われるのが
いや」な、親の見栄に過ぎない。

また、外国で日本人学校に通っていて、中学生で
帰国、英語もあまり使えないのに、「私は帰国生」と
言って英語の勉強をしたがらない生徒に手を焼いて
いる英語教員も見たことがある。そういう子どもは、
親も、海外駐在経験をやたらに鼻にかけているの
だろうか、と思ってしまう。でも、そんな暇があったら
日本の勉強についていく努力をするのが本人のため
なのは言うまでもない。

これらのケースはさておき、帰国生の子が日本語に
目覚め、やる気が出てきた時の力の伸びは、
素晴らしいものがある。「水を吸うように」上達して
いくのを見ると、教えていて良かった!とつくづく思う。

大学時代、アルバイト先の塾で教えた帰国生の
男の子。英語は問題なし、「TIME」などは英語版で
読んでいた。でも、日本語は読めても自分の言葉と
して内容を表現できない。だから受験しても全敗、
浪人してしまった。

彼が不合格だった大学から、答案のレベル判定の
通知を受け取った時、「小論文がD判定だったんで、
ものすごいショックだった」のだそうだ。そして、
「勉強しなくちゃいけない」と痛感したのだという。
そこで、私と1対1での授業。半年間、みっちり
向き合って指導した。

途中からその子が面白いように力を伸ばして
きた。「これはいける!」と私は手ごたえをつかむ。
(帰国子女でなくても、入試の過去問などを出して
きめ細かく勉強を見ていると、「この子の実力なら
入試を突破できる」かどうかは、たいていこちらには
感触がつかめる。そして、それはほぼ当たる)

そして、2月の大学受験。その後、彼のもとには
念願の合格通知が届いた。私にとっても、初めて
帰国生とみっちり向き合って、つかんだ合格。
とても嬉しい瞬間だった。

水を吸うように上達していくのは、帰国生以外でも
味わえることではあるが、スタート時の語彙力が
少ない分と、やる気の度合いが違うのとで、上達の
スピードが比較にならないほど速い。

今はあまり帰国生に関わることがないのだが、
向き合って指導する時は、私は楽しい気持ちさえ
覚えるものだ。もし機会があれば、今でもそんな子を
個人指導できたらいいな、と思っている。また、
ご相談などがある方も含め、お話ししたい方がいたら、
メールで「帰国生指導について」という題をつけて、
ご一報いただけたら幸いである(メールは
「プロフィール」ページからリンク)。

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