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2005/03/06

大人になるのも、悪くない-FOLK AID-

blog050306

このひと月待ち焦がれた「FOLK AID」、その日がとうとうやってきた。

会場の渋公には16:45頃着いたのだが、
あまりの長蛇の列に、まず目を見張る。
開場は16:30の予定だったのだが、きっとリハーサルの
遅れか何かで、予定がずれこんでいるのだろう。

それにしても、これだけの数の「大人」がこんなに
集まって、今か今かと入場を寒い中じっと待っているのが、
なんだか不思議。

入り口でチケットを出し、カメラチェックを受け、中に入る。
洗面所から出てきたら、なんと、森山良子さんの「今日の
日はさようなら」が場内に流れているではないか!

「え、まだ何もやってないのに、終わっちゃうの?!」この曲は、
私の小学生時代、夕方になると下校をうながすために
流れていた。だから、今でも、この曲が聞こえるとなんとなく
「帰らなくちゃ」という気になってしまうから恐ろしい。その後
まもなく、曲が変わったのでひと安心。

ライブは予定の17:00より、少し遅れて始まった。南こうせつ
さんのあいさつ、アーティスト全員で顔見せ、そして、
「♪人は誰もただ一人 旅に出て…」と、「風」を歌う。
トップバッターは杉田二郎さん。司会は南こうせつさんと
イルカさん。

今回は「1組1曲」というのが約束だという。そうでないと、
いつまでたっても終わらないから。杉田さんは山本潤子
さんと一緒に「祈り~prayer~」という曲を歌う。

「猫」は3組目に登場。去年のライブを見ていない方、
先日のNHK-BSの放送で「再結成」を知った方にとっては、
30年ぶりの「雪」なのだろう。歌が終わったところで、私の
近くの女性がしみじみと「名曲だよねぇ」と連れの男性に
つぶやいたのを、私は聞き逃さなかった。

あまりにも出演者が多いので、「お互いのために」(こうせつ
さん・談)、途中で15分の休憩が入る。前半のラストは、
「まるで六文銭のように」の3人と、前半出演の全員で、
「出発(たびだち)の歌」。もちろん客席も大合唱。
会場の大きさが手ごろなのと、見通しの良い席だったのとで、
2階からでも、出演者のみなさんのお顔がよく見えた。

休憩後は、今回のライブで集まった、700万円の義援金の
目録の贈呈式で再開。今回のライブの趣旨を告げたら、
渋公の使用料は半額になったそうだ。熱帯植物園とか、
使い道のなさそうなものばかり作ってるみたいだけれど、
渋谷区もたまにはいいことするじゃない。

後半のステージでは、司会になぎら健壱さんも加わる。
そして、伊勢正三さん、こうせつさん、加川良さんの
スペシャルユニットでの「神田川」、加藤登紀子さん、
ムッシュかまやつさん、そしてイルカさん…。会場が
ひとつになって、30年の間歌い継がれてきた「名曲」を
じっくり堪能する。

イルカさんは、昨年夏から、国際自然保護連合(IUCN)の
親善大使を務めているのだと言う。その関係で昨年11月に
知り合ったばかりの日本人3人が、スマトラ沖地震で
亡くなられたのだと言っていた。夫と子どもを亡くした方、
妻を亡くした方…。

地震から2ヶ月が過ぎ、マスコミはあまり報道しなくなり
つつあるが、この地震で今もなお苦しみ続けている方が
いることを、改めて思い知らされ、胸が痛くなる。

ライブは最後に、「遠い世界に」、「知床旅情」、そして
「翼をください」を、笑顔に満ちあふれた会場が、ひとつに
なって歌い、幕を下ろした。

ライブを見ていて気づいたのは、出演者のみなさんは
確実に30年という時をそれぞれ歩んできていて、それが
歌にも姿にも良い意味で出ていたこと。「昔のことなら
よく覚えているんだけど、最近のことは忘れちゃうの
よねー」と笑い飛ばすのも、ある意味、今も充実している
「大人の余裕」だと、私の目には映った。

「昔は楽屋でもレコード会社ごとの○○派、とか
あったけれど、今はみんなで仲良く話してるもんね」と
いうのも、とても素敵に感じられた。

そして、若い頃がむしゃらに頑張り、良いものを生み出し、
それを維持する努力をしてきた、という日々の積み重ねが
あったからこそ、今、こうやって私たちに歌を届けてくれるんだ、
ということにも気づかされた。

今の若者は夢がない、とよく言う。また、「20歳ならオバサン」
とも、女子高生がうそぶく。でも、実は、はるか千年以上前、
小野小町が「花の色は移りにけりな…」と詠んだのは、
おそらく二十歳過ぎの時のこと。その頃は人生40年も
生きられれば、立派な「長寿」だったのだから、無理もない。

でも、日本はこれから、未曾有の高齢化社会に入る。
そういった中で、日本でいちばん人数の多い世代の方々が、
「若い頃がむしゃらに頑張って生きていれば、その後、
年を重ねていくのも悪くないよ、かっこいいよ」と、生きざまで
表してくれるのは、どれほど心強いことだろう。私は女性
なので、特に、出演者の女性陣の美しい歌声、若々しい
お姿に大変勇気づけられた。

今日のライブでスマトラ沖地震での被害者に対する補償が
全て終わるわけはない。これからも、ささやかでも、私に
できる限りのことはしていきたい。

そして、それは、日々の自分の生活の営みをしっかりと
しているからこそできることだと思う。まずは自分の毎日を
より一層充実させて、自分も今日の皆さんくらいの年に
なった時、「年を重ねるのも悪くないよ」、笑ってそう
言える人でありたい。

今日一日で、生きるための多くのパワーと情熱を
受け取った。月並みだけれども、出演者のみなさん、
スタッフのみなさんに、この場を借りて心からお礼を
言いたい。

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コメント

高田渡さんのJ-WAVE放送への書き込みから伺いました。
教員をなさっていらっしゃることで「全国不登校新聞」改め「Fonte」をご存知かしらと、拝見し始め、まぐまぐの登録させてもらい・・・。

「Kamzine」も紹介してる・・・。

そうしたらこのコンサート会場で同じ体験をしていた。
お若いのに・・・。

どうかよろしくお願いします。

   「足跡」残してるtomokoです          

投稿: tomoko | 2005/05/11 10:27

tomokoさん、はじめまして。
お返事遅くなりましてすみませんでした。

不登校を扱っている「Fonte」、
教えていただいてありがとうございます。
今後も興味深く拝見していきたいと
思っています。

また、フォークのことですが、
tomokoさんのコメントで、改めて
自分の音楽ファンの歴史を振り返って
みました。そのうちこちらに
アップしようと思います。

ではこれからもよろしくお願い
しますね。


投稿: つきのみどり | 2005/05/12 19:15

メッセージ、ありがとう!

家に帰れば不登校新聞社もお気に入りに入れてあるのですが・・・。
いずれまた。

投稿: tomoko | 2005/05/12 22:10

お返事ありがとうございます。
またいつでもおいで下さいませ。

投稿: つきのみどり | 2005/05/12 22:43

実は先日山本潤子さんが交通事故で自転車で転倒し全治1ヵ月のケガを。 歯がグラグラして、手術し抜糸は1週間、長湯は厳禁と。 大ファンの友人はショックを受けてました。 7月に那須野が原のコンサートでは完治し、会えることを楽しみにしてます。 それではお知らせまで失礼します。

投稿: 浜ちゃん | 2005/05/15 21:10

浜ちゃんさん、情報ありがとうございます。

そうですか、山本潤子さんがお怪我…。
FOLK AIDの時も、「卒業写真」会場が
水を打ったように静かに聞き入っていた
のを鮮明に覚えています。あれは単に
「卒業式シーズン」ということでは
片付けられない、潤子さんの歌の力
だったと私は信じています。

早く治られますように、お祈りしています。

投稿: つきのみどり | 2005/05/15 21:41

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