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2005/05/22

オフコース『はじめの一歩』 現在へ続く道

blog050522

先日、このblogに寄せていただいたコメント
から、改めて自分のフォークとの出会いを
振り返ってみたくなった。

もちろん、自分が生まれる前、そして
生まれた頃の音楽をリアルタイムで知る
はずもない。

でも、記憶の糸をたぐると、明らかに私には、現在へと
つながっている、道しるべ的存在との出会いがあった。
それは、オフコースの歴史を描いた本、『はじめの一歩』
(オフコース・ファミリー著)。

もともと私がオフコースをリアルタイムで知ったのは、
シングル「YES-YES-YES」(1982)の時。その頃
ラジオを聞く楽しみを覚え始めたし、しかも、オフコースは
テレビ番組にほとんど出なかったから、間違いなく、
ラジオで出会った曲。

完成度の高いメロディ、そして、「♪振り返らないで 今 
君は素敵だよ 僕の行くところへ あなたを連れて
行くよ 手を離さないで…」というフレーズ、私にとっては
全てが新鮮だった。

しかし、オフコースに興味を持ち、聞きたいな、と思い
始めたのに、この曲の後、彼らの消息がわからなく
なってしまった。忘れていたわけではないが、「LOOK」
など、リアルタイムで活躍するアーティストの曲を聞いて
いるうち、ある日突然「君が、嘘を、ついた」という曲が
私の耳に飛び込んできた。

今思い返せば、これは、ちょうど5人でのオフコースの
最終期、そして、鈴木康博さんの脱退と4人での
再出発の時期に重なっていたのだろう。今のようにwebで
情報を探せる時代でもなく、また、ひよっこファンだった
私にとっては、何が起こっているのかつかむ方法も
見つけることなどできなかった。でも、その後は、私は
4人でのオフコースをリアルタイムで少しずつ追いかけて
いく。

そして、同じ頃、「オフコースってどんな曲を歌ってきたの
かな?」という疑問が芽生えた私は、遡ってLPやテープを
買い、曲を聞き始めた。そして、この本『オフコース 
はじめの一歩』に出会ったのだった。

この本をどうして知ったのか、ということも今はあまり
覚えていない。彼らの雑誌インタビューか、新聞広告か
何かで書名を見たのだろうか、とも思う。ただ、
「オフコースの原点を知るには、読まないといけないん
だろうな」と感じて、ローティーンの私が、生まれて初めて
手にした「アーティスト本」だった。私の手元にあるのは、
1984年の4刷のもの。

この本を丹念に読みつつ、私は、彼らの古い曲を聞いて
いった。本には、小田和正さんと鈴木さん、二人の
出会いが私立中学受験のための塾であったこと、同じ
中学・高校に通って、文化祭のステージに立ったこと、
大学時代にヤマハのライトミュージックコンテストに参加
したこと…。私は、幼児期にヤマハの音楽教室に通って
おり、買ってもらったピアノもヤマハだったので、ヤマハ、
というだけでなぜか親近感を覚えた。また、おふたりの
母校には、近所に住む同級生のお兄さんも通っていた
ので、ますます親しみを感じた。

そして、その時に、同時代に活躍していたミュージシャンの
ことも覚えていく。オフコースと一緒に出たコンテストで
優勝した「赤い鳥」が「紙ふうせん」と「Hi-Fi SET」に分裂
したこと、この時に実はTULIPも出ていたのだが、入賞
できなかったことなど、全てが私にとって新鮮なこと
だった。ちょうど、夢中でこの『はじめの一歩』を読んでいた
頃は、ユーミン・小田さん・財津和夫さんで歌った
「今だから」、「Hi-Fi SET」の「素直になりたい」などを
熱心に聞いていた記憶もある。

この時に、私は、「物事を遡って知っていく」楽しみを覚え、
それがのちに、日本の古典作品を読み解いていくことにも
つながっていったのかもしれない。

いずれにせよ、この時、とことことオフコースの
歴史をたどっていったことが、その後大人になり、
知る曲も増えた時、当時の曲のバックグラウンドや
時代をすんなり理解できる、大事な
下地になっていたのだろう。

だから、70年前後の日本の音楽シーンをリアルタイムで
見ていなくても、今もその時の曲を抵抗なく聞けるのかも
しれない。

ローティーンの頃の私は、勉強やクラブ活動、そして、
習い事などの合間に、気に入った曲の歌詞を自分で
お気に入りのノートに書き写していた。このノートは毎日
持ち歩いていた記憶がある。そうやって詞に描かれる
世界をじっくり味わい、曲で歌われる大人の世界に
憧れていた。

今、実家の本棚に眠っていたこの本を取り出し、改めて
ページをめくる。東芝EMIの当時の所属アーティストで
行なわれたライブ「ラブ・ジェネレーション」のLPの話、
ザ・リガニーズ」にいらした武藤敏史氏が
プロデューサーになった話、そして、同じく
「元・ザ・リガニーズ」の新田和長氏が
「オフコースの小さな部屋Vol.4」にゲストでいらした話…。

本の中だけで知っていたことが、目の前にあり、また、
本に出てきた方と話ができる。こんなに贅沢なことが
あるだろうか。

去年のSTB139でのアンブレラ・ミュージックのイベント
でも、鈴木康博さんの歌を私は食い入るように、そして、
感慨深く聞いていた(ただ、話を聞いていて、
「オフコースの再結成は、まだ当分なさそうかな」と感じ、
ちょっぴり悲しかったけれども)。

結婚当時は、この本が私にとって大事なものと気付く
こともなく、実家においてきた。でも、今ははっきり
わかる。これは、私の、現在へと続く確かな、「はじめの
一歩」の本。きっとこれからは、この本を片手に、
ライブに足を運んでいくのだろう。

この本と出会えていた過去に、改めて感謝したいと思った。

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コメント

つきのさんは「YES-YES-YES」の時はまだローティーンだったんですか…。
私のオフコースは、やはりアルバム「僕の贈り物」あたりからかな。
中学生でラジオを聞き始めたころです。<ローティーンですね(笑)
GAROもケメも古井戸もチューリップもみんなこのころに知りました。
ビートルズをはじめ、洋楽に触れたのもこのころ。
1970年代は、ゴチャゴチャした良い時代でした。

私は音楽を遡って聴いたことはあまりないのですが、いつ出会おうとも自分が好きな音楽は自分の中で大切な物になりますよね。
色々なことがあって、少し離れていても何かのきっかけで蘇る思いは変わらなく嬉しいものです。
過去・現在・未来へと続く道をこれからも楽しく歩いて行きたいと思います。

投稿: SHIMA | 2005/05/22 19:05

SHIMAさん、いつもありがとうございます。
「YES-YES-YES」は、10代に入って
間もない頃出会いました。ニッポン放送の
「日立・ミュージックイン・ハイフォニック」
などの番組を聴き始めた頃でもあります。
でも、「ハイフォニック」と言われても、
何が何やらさっぱりわからず…という頃
でもありました。

私自身はこの『はじめの一歩』を読み、
また、多くの曲を遡って聞いていて、
「もう少し早く生まれていて、70年代の
歌をリアルタイムで聞いていたら、
きっと楽しかっただろうに」と思った
こともあります。

>いつ出会おうとも自分が好きな音楽は
>自分の中で大切な物になりますよね。

いつも、素直に納得できるご意見を
ありがとうございます。
これからもそういった音楽を大事にして、
私も、未来への道をしっかりと歩んで
いきたいです。

またいろいろお話聞かせて下さいませ。
m(__)m

投稿: つきのみどり | 2005/05/22 19:58

はじめまして。
ゆりこさんからこのブログをお聞きして参りました。(^-^)
私のオフコースとの出会いは「さよなら」でした。
それまでも「愛を止めないで」や「眠れぬ夜」などは知っていましたが、オフコースがどんなグループで、メンバーそれぞれがどんな顔をしているか(笑)を知ったのが「さよなら」からでした。
その頃、オフコースファンの友人に誘われて行った新宿厚生年金でのライブは感動的で、今でも心に焼き付いています。
その後さかのぼって昔の歌を聴くようになりましたが、15年ほど前からの友人でオフコースの熱狂的なファンがおりまして、彼のレクチャーにより、今では私もかなり詳しくなったと思います(笑)。

投稿: めぐメグ | 2005/05/23 09:03

めぐメグさん、はじめまして。
コメントありがとうございます。

「さよなら」私は後で知った世代ですが、
その当時鮮烈な印象を与えたようですね。
私は5人でのライブは、アルバムや
DVD(武道館10days)などでしか
知るよしもないのですが、きっと
実際に見ることのできた方は
幸せだったんだろうな、なんて
考えます。

またオフコースやその他のお話、
聞かせて下さいね!

投稿: つきのみどり | 2005/05/23 17:36

つきのみどりさんはじめまして、こじまっちと申します。

突然のコメントお許し下さい。

現在私はオフコースコピーバンドを組んでおり、
今度行うライブのご案内を多方面にしてみたい!
ということをしておりまして、オフコースで検索をしたところ
こちらのページに辿り着きました。

突然書き込みした上で宣伝なんて申し訳ありませんが
告知ページのURLを記載しておきますので、もしご興味が
ありましたら足を運んでみてください。
http://www.geocities.jp/gc8_sakura/ から
http://www.geocities.jp/gc8_sakura/20050618.html
↑こちらはダイレクトに告知ページに行きます。

私のオフコース暦は・・ちょうどThree&Twoのアルバムからです、
(一番大好きなアルバムでもあります)
もう25年になりますが・・当時のサウンドは今聴いてもゾクゾク
するほど素敵ですし・・まだまだオフコースは不滅だなと感じます。

今後もずっとオフコースをバンドで演奏していきたいと思っています!
演奏中は当時のWeareツアー、Overツアー武道館10days等の
彼等の演奏を思い浮かべながら成りきって演奏してたり・・・(苦笑)
当時のまま、記憶が止まっている感じですね。

ですけど、一方では鈴木康博さん、ABCさんのコンサートに
行ったりしておりまして、落ち着いたステージを見るのも楽しい
自分も居て・・某場所で仁さんに何度かお話しさせていただいたり
していると、あの時憧れだった人と・・などと身近に感じられるのは
素敵なことと思えますから、、ファンになってよかった~!って
再認識してます。

では、お騒がせして申し訳ありませんでした。

投稿: こじまっち | 2005/06/01 17:34

こじまっちさん、はじめまして、ようこそ
いらっしゃいました。

告知もありがとうございます(こういった
種類のものなら構いません。もちろん、
公序良俗に反するものや、マルチまがいの
商法の広告なら、即刻削除します)。

ですが、残念ながらライブの6/18は
先約がありまして、叶いません。
「バンドでオフコース」、ぜひとも
続けられて下さいね。

また良かったらこちらにおいで下さい。

投稿: つきのみどり | 2005/06/01 18:08

つきのさん、早速のお返事ありがとうございました。

告知もお許しいただきましてホッとしました。。
・・・内心正直なところヒヤヒヤしてましたので(^^ゞ
ライブの方は残念ですけど、お知らせできたこと
だけでも嬉しいです。

バンドつながり等のせいもあり、僕の周りはまだまだ
オフコース熱は冷めやらぬといった雰囲気におりまして
「こんなことしてるんですよ~」と仁さんにお伝えしたら
「嬉しいもんやね」とおっしゃてくださいましたので、
ずっと・・続けていこうと思います。

ウチのメンバーは東京2人、埼玉1人、神戸1人、
愛知2人という遠距離恋愛バンド(笑)なのですが
月一度の練習で続いております、はたから見れば
ただのコピーバンドでしょ?ってことだけですが、
オフコースの求心力は凄いものがあるんだなぁって
思います。
今は、年間スケジュールよろしく、結構こういったライブや
集まりなどのイベントがあってバンドメンバーで色々な場所へ
行き演奏を楽しんでおります。
(西は神戸で関西セッション、東は福島セッションがあります)

では、また寄らせていただきます。
この度はありがとうございました!

投稿: こじまっち | 2005/06/02 11:00

こじまっちさん、「オフコース
つながり」のお話ですので、
書き込みして下さって私は
嬉しかったです。行けないのが
残念ですが…(T_T)

こうやって、ご自分なりの
オフコースを楽しんで
いらっしゃるのも素敵ですね!
しかも、「遠距離恋愛バンド」だそうで、
皆さんの熱意と求心力がないと
続きませんよね。素晴らしいことです。

また機会がありましたら、ライブや
清水さんのことなど聞かせて下さいね。

投稿: つきのみどり | 2005/06/02 21:12

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