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2005/05/17

女子大生の専業主婦志向?!

日経新聞」のサイトで、こんな仰天する記事を見つけた。

5/10付生活面の記事で、「女子大生の専業主婦志向が
高まっている」という内容。東京学芸大学の山田昌弘教授
(「パラサイト・シングル」という語の生みの親)は、「今の
若い世代は”ラク”がキーワード。社会に出ても大変そうな
毎日が待っているだけだから、専業主婦志向に活路を
見出しているのでは」という見解だった。

私自身も教えていて、進路選びが目前に迫った高校
3年生が「女の子だし、フリーターでもいいもん」などと
口にするのを見ると、がっかりするし、それでいいの、と
不安になる。

専業主婦志向とは言っても、永遠にそういった状況を
許してくれる男性は、今の日本、特に東京ではそう
いない。私の知人、親類、かつての同級生でも(私の
知る限り)、世界的有名企業に勤務していても、夫婦
共働きが基本。社宅もどんどん売却され、社内での
扶養手当なども廃止・削減されているから、妻が
出産などで退職しない限り、基本的にふたりで働いた
方が生活が楽、ということだろう。公務員と結婚して、
育児をしつつ家庭にいる人がいるが、教育費などが
恐ろしくかかるから、今後子どもの手の離れ具合に
応じて恐らく働きに出るでのはないだろうか。

以前、私の年下の女性の知人で、有名大学・企業に
縁のある人ばかり狙って、付き合っていた人がいた。
そういう立場の周囲の男性に、片っ端から声をかけて
いるのは、同性の視点では、はたで見ていてある
意味おかしくもあった。でも、男性の側も次第に彼女の
目論見が見えてくる。知人で万策尽きた彼女はその
後、医療事務の資格を取り、病院の受付で働き始めた
そうだ。なんというわかりやすさ!この話を聞いた時も、
私の口はあんぐり開いたままだった(あまりにばかばか
しいので、その後の話は聞いていない)。

今の多くのキャリアウーマンのように「大変な思いをして、
家事と仕事を両立させている」のを見たら、「そんなに
がつがつしたくない」という人が出ても不思議はないかも
しれない。でも、子どもの有無で大きく違ってはくるが、
今は生協などの宅配も、そして、中食(なかしょく、デパ
地下などで売られるお惣菜)も発達しているし、理解
ある夫がいれば(←これがとても大事)、なんとか
やっていける、というのが私の実感。

むしろ、最初に専業主婦で家庭に入ってしまってから、
数年後に(好むと好まざるとに関わらず)働きに出る
場合の方が、今まで家事の心配をしなくて済んだのに、
いきなり負担が増えたことで、男性の側も不満を持ち、
夫婦関係にひびが入ることもあるのではないだろうか。

それに、有名企業に勤める私の知人のケースが象徴
しているように、社宅や扶養手当などが廃止されて
いる現在、専業主婦の女性を養うのは、男性にとっても
リスクがあること。また、先に挙げた年下の知人のような
「夫探し」になると、「男性の職業や勤務先に目がくらんで
結婚する」ことにもなりかねない。だから、夫が有名企業
から出向したとたん、妻が冷淡になり、「自分の職業が
目当てで結婚していたのか」という事実が発覚して、
夫婦関係が冷え切ったり、一気に離婚に進むこともあり
得るだろう。事実、そういった話を雑誌などでも見聞き
する。

この話を読んでいて、思い出したのが、プロ野球の、
東北楽天ゴールデンイーグルスの田尾監督夫人の
コメント。夫人は数年前に「Rey」としてCDデビュー、
今も活動を続けている。

Reyさんは、女子大生だった頃、ご自分の親御さんの
紹介で野球選手だった田尾監督と出会い、卒業後
結婚する。野球は不案内で、その当時中日のスター
選手だった田尾さんを見ても、全くピンとこなかったの
だそうだ。

これは先日、彼女がニッポン放送
赤坂泰彦さんの番組に出た時のお話なのだが、
赤坂さんが「でも、野球選手、って聞いて、心が動き
ませんでしたか?」と言うと、彼女が返したのが次の
ようなコメントだった。
「でも、私は主人が野球選手だから結婚したわけ
ではありません。主人の人柄に惹かれて結婚したん
です」

なんという素晴らしい、そして、結婚の極意に迫る
コメントか、と私は感動した。その当時既にスター
だった田尾監督の周囲には、それこそ「スターの妻」
目指して群がる女性がゴマンといただろう。でも、
Reyさんは、「人柄に惹かれたから結婚した」のだ。
スターだから、とか、人気選手だから、とかいった
理由で結婚したわけではない。女性の側から見ても、
スターだから、といって結婚したところで、一生現役
選手でいるわけではないし、人気は永遠に続くわけ
でもない。また、男性の側から見ても、肩書きなどで
ごまかされていない、本質を見てくれている。こんなに
嬉しいことはないだろう。

Reyさんは家庭で育児に専念していたが、「人前で
歌いたい!プロの歌手になりたい!」という思いが
次第に芽生え、夫ぎみの田尾監督の「しぶしぶ」の
承諾を得て歌い始める。最初はリハーサルなどで
帰りが遅くなると、「むすっ」としていた監督も、生き
生きしているReyさんを見ていて、次第に「いいじゃ
ない」と言われるようになる。

そして、監督就任が決定したことで、「私、監督夫人に
専念するから、仙台について行って、歌も一時休む
わね」と言ったReyさんに対し、監督は「やめること
ないよ、できる範囲で続ければ」という答えを返したの
だそうだ!

これも、歌っているReyさんが生き生きしていて、
ステキだからに他ならないからだろうが、夫婦間で
お互いに人柄に惹かれていて、そして信頼している
からこそ、まず「むすっ」としつつも見守る、ということに
なり、それが現在の姿勢にまでつながっているの
ではないだろうか。

最初に「夫の仕事ありき」、で、「人柄に惹かれた」、
ということでなければ、何か重大なことが起こった時
相手を信頼できないかもしれないし、田尾監督
ご夫妻のような夫婦関係を結ぶのは大変かも
しれない。しかも、所得が多くても夫婦間に信頼
関係がなければ、どちらかの浮気などで家庭が
崩壊する恐れもある。そういった事態に直面しても、
女性がそれまで働いたことがほとんどなければ、
安定した収入を得ることはイバラの道のり。

家庭崩壊まで至らなくても、記事にも、子育てが
一段落して、夫にも不満があり、仕事でも大した
ものがさせてもらえないから、と、精神のバランスを
崩す40代専業主婦が増えている、とあった。

もちろん、家庭を中心に生きたい、という女性も
素晴らしいと思う。そういった方々を非難する
つもりはない。でも、「最初からそれを狙って、
収入の多い男性と結婚する」というのは、現代では
もはやリスクがありすぎることでしかない。

勤務先で、特に女子生徒と話をしていると、母親の
価値観が透けて見えることがある。「専業主婦
狙い」という女の子の母親は、自分がそれでラクで
楽しい毎日を送っているのかもしれない。でも、
親が生きてきた時代と、これから子どもたちが
生き抜いていく時代とは、社会構造が同じだとは
限らない。

まして、現在既に、日本の社会構造が転換しつつ
ある。そのことに気付いている親の子どもと、全く
気付いていない親の子どもは、進路選びで大きな
差を生んでいる。

また、娘が有名大学に行けそうもない、とわかると、
そういった大学の付属校や有名男子校の文化祭、
また、合コンに積極的に娘を行かせる、という話も
聞く。でも、有名大学に行っていてもフリーターが
出るご時世、有名企業に行けるとは限らないし、
上に私が書いた通り、有名企業でも専業主婦を
養うのが大変になりつつある世の中なのだ。そんな
不安定なことを当てにするくらいなら、娘が一生
続けられる資格を取るよう導く方が、はるかに
まともなのではないだろうか。

やはり、私のような者の役目としては、「自分には
何が向いているのか、日々の生活を真剣に過ごして
見つけていくこと。そして、その好きなことが仕事に
つながるように、努力すること」と、進路指導をかなり
早い段階からしていかないといけないのだな、と
感じる。ただ、多くの同僚を巻き込まねばならず、
また、保護者の価値観にも働きかけねばならない
から、大変なことではあるのだが。

「みんなのお母さんの時代は、一生働いたことが
ない、とか、結婚してからずっと専業主婦、という
人もいたかもしれないね。今まではそれでも幸せに
過ごせたのかもしれないけれど、これからはそう
いう人は減るんだよ。お母さんたちには感謝して、
でも、自分の人生とは切り離して、新しい時代に
生きる者としての幸せを考えなさい」と言わねば
ならないのだろう。

今後の日本は未曾有の高齢化社会、女性や
高齢者の労働力は貴重なものになって行く。
そういった社会に、わざわざ「専業主婦になりたい」
女性を社会に送り出す意味はない、私はそう
断じたい。

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