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2005/06/26

TPOの重要性

TPO、というのはファッション用語。

先日鬼籍に入られた、石津謙介さんが提案した言葉
だそうだ。T(time=時)、P(place=場所)、そして、
O(occasion=場合)。
この3つを考えておしゃれを
するのが大事、ということ。

私が初めてこの言葉を知ったのは、小学校高学年だった
気がする。塾で習い始めたばかりの、英語の単語かと
思って英和辞典を引いたのだが、どこにも載っておらず、
数年間意味がわからないまま、私の頭の片隅に
引っかかっていた。謎が解けた時は確か中学生か
高校生、ずっと体の中に刺さっていて抜けなかった
トゲが、するりと抜けたような快感を覚えた。

この頃、私は、この”TPO”という言葉の応用範囲が、
実は大変広いのではないかと考えている。

私がよく聞くNHKラジオ深夜便で、「ワールドネット
ワーク」という時間がある。海外に住む日本人の方に、
今の現地の様子、現地で大きく取り上げられる日本の
話題などを日替わりで話していただく時間。行ったことの
ない国の様子も、髣髴と浮かんできて楽しい夜のひと時。

特に私が気に入っているのが、パリで旅行代理店を営む、
近藤忠彦さんのお話。日曜深夜(月曜未明)ご出演で、
あたたかく、時には辛口で現地の様子を伝えてくれる。

近藤氏のお話で忘れられないことが2つある。1つは、
数年前の夏。「パリの有名ブランドショップに、ジーンズで
生足、サンダルという格好で日本の若い女性が買い物に
来る。こんな格好で買い物に来る人はフランス人には誰も
いない。みな、気を配って、その場にふさわしいおしゃれを
してやって来る。店員も奇異に思うだろう。場違いさに
気づいて欲しい」という趣旨だった(気がする)。

もう1つは、昨年か今年の春。「テロを警戒して、フランスの
兵士が街角で銃を持って24時間体制で警備しているところを、
携帯のカメラで撮ったり、果ては”一緒に写真を撮ってくれ"、
と、勤務中にお願いする日本の若い女性。また、道を尋ねて
いる人も見たことがある。彼らは重大な任務中で、明らかに
迷惑そうな顔をしている人もいる」という話だった。春、と
いうのは、「卒業旅行で学生さんがたくさん来ているの
でしょうか」という前振りがあったから、はっきり覚えている。

たまたま若い日本の女性のマナー違反を指摘した内容
だったのだが、私はこの話を聞いていて、「ううむ…」と
考え込んでしまった。

その場にふさわしい格好ができない、その場の状況が
正しく飲み込めない、というのは、想像力が欠けているのと
同時に、このような場にふさわしい格好や行動を教える人が
周囲に誰もいない、ということでもある。あるいは、教えても
どこ吹く風、本人たちに自覚がなかったのかもしれない。

何も外国に行かなくても、その場にふさわしい服装や
行動ができず、周囲に不快感を与えたり、上司から
大目玉を食らったりする、という場面を、イヤというほど私も
見てきた。

私が初めて、このことを痛切に感じたのは、大学4年生の
6月、教育実習の期間中。私は母校の高校で行なったの
だが、男子が毎日スーツにネクタイで登校するのに、
女子の多くが日に日にだらしない格好になっていく。

「女子は楽よね~」と言って、襟なしのカットソーなどで
登校する始末。男子がそれなりの服装をしているのだから、
こちらも暑くても、襟付きのシャツやブラウスで来るなどの
配慮ができないのだろうか、と、私は同級生たちの発想に
あきれてしまった。私がそのような服装で登校をしている
のを見てもなんとも思わないのはなぜか、ひどく疑問だった。

また、教員になってからも、年中ノースリーブで来たり、
また、場をわきまえずに、夫婦間の会話などを大声で
同僚に話したりしていて、目に余る場面が増え、上司に
注意された人も見たことがある。

このように自分たちの置かれている状況を考えないことは、
結局、服装ではTPOをわきまえていないだけではなく、
それ以上のマナー違反を自分で「積極的に」している
ことに他ならない。しかも、マナー違反だと気づいていない
ので、非常にたちが悪く、注意されても自分が悪いとは
思わない人もいるだろう。

学生の就職活動でも、「スーツ以外で来て下さい」と
言われると、とたんにTシャツになってしまう人もいると
聞くし、また、会社でも、カジュアル出勤を認めると、
ミュールやキャミソールが続出して、結局それらの
スタイルは禁止になった、という話もある。これも、「その
場にふさわしい服装」が考えられなくて、スーツの次は
いきなり楽な普段着、という思考回路になってしまうの
かもしれない。

こういったことを聞くと、家庭での教育力も落ちているし、
やはり学校でマナーを指導する時間が必要なのでは
ないか、と思えてならない。週1時間でも、マナーや
社会常識を教える「教養」といった科目を増設しても
良いのではないか、とさえ思う。

TPO、という言葉は実は服装だけではなくて、
行動にも通じる言葉
。この言葉の重みを
もっと真剣に考えねばならない時代なのでは
ないだろうか。

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コメント

耳が痛いお話です。
私の周囲では、仕事場でも「Tシャツ・ジーンズ」が当たり前になっているので、何処でもその感覚で行ってしまいそうです。
マナー違反は自分が笑われるだけではなく、周りに不快感を与えてしまいますからね・・・。気をつけなければ・・・。

投稿: めぐメグ | 2005/06/27 02:34

めぐメグさん、コメントありがとう
ございます。

教員の場合、「年がら年中ジャージ」なんて
いう人もいますよ。
「自分自身で常に冷静に見る」視点が
大事なんでしょうね、きっと。

投稿: つきのみどり | 2005/06/27 03:34

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