« フォークデイズ第50回公録 フォークの「包容力」 | トップページ | web連載「教育カフェテリア」第17回更新 »

2005/12/09

ドラマ「熟年離婚」 全てのカップルに共通するもの

話題を呼んでいたテレ朝系のドラマ「熟年離婚」が、
昨日、12/8に最終回を迎えた。

「昨日の”熟年離婚”見た?」
第1回の放送翌日、10/14。母からのこんな電話で、
全ては始まった。
「ううん。見なかった。どうしたの?」
「”報道ステーション”見ようと思って、少し早く出したら、
やってたのよね、そうしたら、渡哲也さんが”ガッシャーン”
って、お膳をひっくり返したところで…」

どうやら、母はその日、もっとも衝撃的なシーン、「夫の
定年退職祝いの席で、妻が離婚を切り出した」(!!)
瞬間にチャンネルを合わせてしまったらしい。そこで、
私も番組サイトで内容を確認し、BBSで視聴者の
意見を見て、翌週の第2回から全て見ることにした。
(12/2の”報道ステーション”に、報道番組に初めて
渡さんが出る、というので、こちらもしっかり見た)

このドラマを毎回見ていてうなったのは、「熟年離婚」と
言いながら、4組の「結婚・離婚にまつわる話」が
描かれていたこと。(これを論じているご意見、
実はあんまり見かけない)

夫の退職の日に「私も主婦を卒業したい、一度だって
あなた(夫)に感謝してもらったことなんてない!!」と
叫んだ妻(松坂慶子)。
夫(西村雅彦)の仕事がうまくいかないのを罵倒
しつつ、仕事を手伝っていた長女(高島礼子)は、
ある日、夫の浮気を知ってしまう。

長男(徳重聡)は、年上の子連れ女性(桜井幸子)と
再婚を希望。彼女は、元夫のDVに母子ともに
苦しめられている。
次女(片瀬那奈)は、売れないミュージシャン(渡邉
邦門)を熱烈応援中。そんな彼女、ある日妊娠が
発覚してしまう。

…とまぁ、ドラマとはいえ、「問題ありすぎ」の一家の
「それぞれの離婚・結婚」をめぐって、ストーリーが
進行して行く。

一昔前、「岸辺のアルバム」という山田太一氏の
ドラマで、「幸せに見えた、東京郊外の家族の
崩壊」というテーマが描かれた。そして、それから
およそ10年後、「金曜日の妻たちへ」で、やはり、
高級住宅街に住む主婦の日常の葛藤が描かれた。

そして、21世紀になり、熟年世代の妻たちは、その
日常の積み重ねを振り返り、たとえ立派な家があり、
一流企業に勤める夫がいても、「こんな生活には
耐えられない」と、家を捨ててしまう。

「熟年離婚」で、横浜のみなとみらい地区の
風景が繰り返し映り、高級住宅街が見えるたび、
(”金妻”族もとうとう離婚なんだなぁ…)
そう感じていた。

このドラマの「それぞれの結婚・離婚」からは、
「夫婦とは、もともとは他人なのだから、
コミュニケーションと思いやりが大事」という
テーマが透けて見えてくる。

親夫婦は言うまでもないが、「仕事が大変なのに、
幼い娘の前でもばかにされ、毎日仕事に行けと
布団をはがされて、僕だってつらかったんだ!!」と
叫ぶ長女の夫。

「最初は優しい人だったんです、でも、私も何か
仕事をしたい、と言って、お店(バー)を始めたら、
”オレの顔に泥を塗るのか”って、殴る蹴るの
暴力が始まってしまって…私だけならまだしも、
息子にも同じことを」と、離婚の真相を明かす、
長男の彼女。実の父が来た時の、おびえた
幼い息子の顔が全てを物語る。

これらは全て、「相手も同じことを思っているはず」と
いう、「一方的な思い込み」から来る、ボタンの
掛け違えの積み重ねなのだろう。「少しでも
仕事を」、「優しい言葉が欲しい」という行き違い。
「お店を始めたら喜んでくれるはず」、「仕事を
しないで家にいてくれるはず」、という行き違い。
修復できないところにまで至れば、離婚、という
選択肢しか残らない。

いくら他人でも、長い間寝食をともにしていれば、
あうんの呼吸で分かり合えるところもあるだろう。
でも、「口に出して伝え」なければ、相手に
伝わらないところは永遠に残る。

12/2に「報道ステーション」に出演した渡氏が、
「お茶を出してもらったら、ありがとう、と言う
とか…」と言われていたが、まさにそのような
「小さなこと」を、伝えることが大事なのだろう。

だから、最終回を見ていると、「結婚している時に
こんな思いやりのある夫だったら、熟年離婚は
なかったろうな」と思わせられることしきりだった。

2007年の「団塊の世代」多数退職開始と、
「厚生年金強制分割」で、ささやかれている
「熟年離婚の激増」。このドラマを見て、
「熟年離婚する前に、改善できるかも」と思う
人が少しでも増えたなら、制作側の目論見は
当たりだった、ということになるだろう。

「もともとは他人、だから、瑣末な話も重大な
問題も、日々伝えて意思の疎通を図りたい。
良くも悪くも、ためこんではいけない」というのが
私のモットー。まだまだ未熟者の私だけれど、
そんな風に日々考えている。

ためこんで、「夫(妻)の嬉しい話も知らない」とか、
「つらい思いに気づかなかった」というのは、近くに
いるのに分かり合えていないのだから、とても
悲しい話。どんなカップルでも(異性間だけでは
なく、同性間でも)こんなことにならないように
すれば、夫(妻)と良い関係が築けるだろう。

そして、小さなことでも日々伝えていく、というのは、
教育にも通じることだろう。どんなことでも、よく
できたらすぐに「えらかったねー」とほめ、悪い
時にはその場で叱る。あとで、なんて言うと、
子どもは何のことかピンとこないから。

こんな共通点から、「良い夫(妻)との関係」、
「良い親子の関係」が見えてくるだろう。今度、
私なりにまとめてみたいと思っている。
「熟年離婚」、私にそんなことを気づかせて
くれるドラマだった。

|

« フォークデイズ第50回公録 フォークの「包容力」 | トップページ | web連載「教育カフェテリア」第17回更新 »

コメント

色々な年代の人たちがそれぞれ複雑な思いでこのドラマを見ていたんじゃないでしょうか・・?
そして最後の鍵はやはり経済的なもの。。。
結末はどれもハッピーエンド!<私的には。
(1組だけそうではないという方もいらっしゃるかもしれないけれど。)
カップルたちの今後が気になる終わり方でもありました。
深く語りたくてもあまりにもリアルな内容に言葉が出なくなってしまう所も。

投稿: SHIMA | 2005/12/15 15:23

>SHIMAさん

ごぶさたしております。
コメントありがとうございます。

今日は木曜日、ふと「あぁ、先週が
最終回だったっけ」と、突然、夕方に
思い出しました。

>カップルたちの今後が気になる終わり方
>でもありました。

視聴率が大変良く、最終回はテレ朝の
この時間帯最高の数字だったそうですね。
そういった意味も含め、続編が
あるのかな、なんて考えてしまいました。

>深く語りたくてもあまりにもリアルな
>内容に言葉が出なくなってしまう所も。

そうでしたね。私も「う~ん」と、
うなりながら見たりしていました。

ところで、そちらにはかなわないのですが、
東京は10年ぶりの寒さ、と言われて
います。去年はほとんどかぶらなかった
帽子を、早速引っ張り出した私でした。

投稿: つきのみどり | 2005/12/15 23:41

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/73691/7541852

この記事へのトラックバック一覧です: ドラマ「熟年離婚」 全てのカップルに共通するもの:

» 『熟年離婚』全9話 視聴終了 [Jump Over the Borderline]
ある家族の物語。 夫・豊原幸太郎は、定年退職を迎えたその日、 妻・洋子から突然“離婚”の申し出を切り出される。 「自分も主婦を退職させて欲しい」というのである。 子供たちの必死のとりなしも効果はなく、夫婦は離婚の道を選択し、 夫は、今まで任せきりだった家事全般を体験することにより、 誰にも感謝されず、家の中でひとりきり、 淡々と過ごす日々のやるせなさを痛感する。 一方、妻も、外で働くことにより、他者との円滑なやりとりに心を砕き、 プレッシャーの中で、黙々と仕事をこなす現実の... [続きを読む]

受信: 2005/12/12 00:06

« フォークデイズ第50回公録 フォークの「包容力」 | トップページ | web連載「教育カフェテリア」第17回更新 »