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2006/02/06

稲垣潤一さん25周年CD 都会派ポップスの王道

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今年25周年の稲垣潤一さん
昨年末にその足跡を刻んだ、
3枚組CD「コンプリート・シングル・
コレクション」
が発売された。

昨年のうちに手に入れ、今年に入り、じっくり聞いてきた。
今までベスト盤は何回か出ているものの、「全シングル」を
収録したものは、今回が初めて。全シングル39曲+
ボーナストラック5曲、合計44曲が収録されている。

1枚目から聞いていく。当然、1曲目は、デビュー曲
「雨のリグレット」。3曲目の「ドラマティック・レイン」が、
スマッシュヒットとなる。この頃は、ドラムを叩きながら、
「夜のヒットスタジオ」などで歌う稲垣さんが話題だった
らしい。

私がリアルタイムでファンになったのは、10曲目
「1ダースの言い訳」から。アルバム「Realistic」が
オリコン1位を獲得、名実ともに、稲垣さんは日本の
ポップス界でスターとなった。

そこから先は、私の人生に稲垣さんの歌がしっかりと
寄り添ってきた。「思い出のビーチクラブ」、「紅白」に
出る稲垣さんをかじりついて見ていた高校時代。
「君のためにバラードを」、稲垣さんも出られていた
映画、「愛はクロスオーバー」を見に行った記憶が
まざまざとよみがえる。

「クリスマスキャロルの頃には」、やっぱり、ドラマ
「ホームワーク」、夢中で見ていた大学時代。そして、
映画「アイ・ラブ・ユー」の主題歌「小さな奇跡」を歌う
稲垣さんが、特別に出られる試写会に、ただ稲垣さん
見たさに駆けつけたこと…。

でも、なんと言っても、稲垣さんといえば、歌を聞く
だけで、数々のCMが頭にフラッシュバックしてくる。

私にとっていちばん最初に稲垣さんのCMを意識した
のが、「April」。CDについている稲垣さんによる全曲
解説によれば、サンヨーのラジカセのCMだったそう。
「♪April…」と、稲垣さんの声と軽快なメロディにのせ、
外国人の子どもが芝生の美しい庭先かどこかで
踊っていたシーンは、今思い返してもキュートな仕上がり。

「思い出のビーチクラブ」、これは、カナダドライジンジャー
エール
のCM。炭酸なんてその頃は卒業していたはず
だったのに、わざわざ買いに探し求めた記憶もある。

「サザンクロス」、全日空のCM。青い沖縄の海と溶け
合っていた稲垣さんの声。
「セブンティ・カラーズ・ガール」。カネボウのCMソング
だった。まだ高校生でお化粧ができず、地団駄を
踏んだ、その年の春。

「世界でたったひとりの君に」。関東だけだったのかも
しれないが、ケンタッキーフライドチキンの店内で
ガンガンに流れていた。曲が聞きたくて、大学へ
行く前、わざわざ立ち寄ってお昼を食べながら、授業で
発表する資料を作ったりしていたっけ。

「僕ならばここにいる」。ホンダの「Domani」のCM、
海の上にまっすぐ伸びた道を、ひた走る車が素敵だった。

こうしてみると、私にとって、稲垣さんの歌は「大人の
素敵な世界」へ導いてくれるものだったんだなぁ、と
改めて感じる。高校生では、ひとりで沖縄へ行くことも、
お化粧品を好きなだけ買い込むことも許されない。
だから、私は、稲垣さんの歌を聞きながら「早く大人に
なりたい」と思って生きてきたのだろう。

また、私の個人的思い出は横によいしょ、っと置いて
おき、稲垣さんの歌をデビュー曲からタイトルだけ
眺めてみると、「季節ごとに愛されるヒット曲が
あったんだなぁ」と思う。

「雨のリグレット」、「ドラマティック・レイン」で雨の季節。
「夏のクラクション」、「思い出のビーチクラブ」、夏の
名残を惜しむ頃。
そして、言わずと知れた「クリスマスキャロルの頃には」。

「クリキャロ」しか知らない人には意外かもしれないけれど、
稲垣さんには、季節を彩るこれだけの代表曲が綺羅星の
ごとく並んでいる。これらの曲を手がけたのは、
湯川れい子さん(「雨の…」)、売野雅勇氏(「夏の…」、
「思い出の…」)、そして、秋元康氏(「ドラマティック…」、
「クリスマス…」)。

第一線の作家の皆さんが、稲垣さんの声を生かすような
詩を書き、曲を作り、そして、スタッフさんがたとひとつに
なって「稲垣さんの歌の世界」を作り上げてきたのだな、と、
感動がこみあげる。それが今の稲垣さんの輝かしい
歴史になっている。

今年は25周年ということで、テレビ、ラジオ、そして雑誌と、
メディアへの露出が多い。先日のテレビ東京
「名曲の時間です」(2006/01/23)では、ツアーバンドの
皆さんを従えた稲垣さんのご出演で、ファンには何より
嬉しい贈り物だった。

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去年発売されたCD「Unchained
Melody」
(※2005/12/06付
記事
参照)とともに、今回のシングル
コレクションも、長友啓典氏が
ジャケットイラストを手がけている。
どちらのジャケットにも、東京タワーが描かれている。

だから、番組でも、稲垣さんの背景で美しく輝く
東京タワーの写真が映されていた。
稲垣さんも、東京タワーは「昭和の象徴ですね」と
言われていた。

昼間は赤と白のコントラスト鮮やかにそびえ立ち、
そして、夕方になると、ろうそくのように、ライトを
ともし、街を守り続ける。
それが、0時になると、ふっと消え、街の眠りを
うながす。またある日は、ライトをともし続け、
朝まで街を守り続ける。

東京郊外生まれの私でも、飛行機で羽田に着き、
東京湾を渡って都心に入ってきた時、前方の視界に
大きく大きく東京タワーが見えると、
(あぁ、東京に帰ってきたんだなぁ…)
という安堵感が胸いっぱいに広がり、それまで
体を包んでいた緊張が、次第に解きほぐれて
いくのを覚える。

こんな東京タワーは、昭和のシンボルでもあるし、
東京、ひいては日本の平和と経済繁栄のシンボル
なのだろう。そして、このイメージは、稲垣さんの
歌にもつながっている、と私は思う。
そう、稲垣さんの歌は「都会派ポップスの王道」なのだ。

だからこそ、稲垣さんには、「都会派ポップスの
シンボル」として、いつまでもお元気で歌い続けて
いただきたい。このCDを聞くにつれ、そんな願いが
日に日に強くなっていっている。

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