« web連載 第23回更新 | トップページ | 「一流」を支える「一流」の人々 »

2006/03/30

「AERA in FOLK」 原点の検証

Blog060330


3/29に発売になった、
「AERA in FOLK」

わが家では「AERA」を定期購読中。
だから、発売は1ヶ月くらい前から
知っていた。
ただ、これは臨時増刊なので、注文しなければ
配達されることはない。そこで、発売日の夕暮れ、
書店に立ち寄り、1冊購入。

夕食のあと、早速手に取る。1971年の中津川
フォークジャンボリー、1970年の春一番コンサート、
URCレーベル、フォーライフ設立の秘話…当時の
エポック・メイキングな出来事を、関係者の証言を
主に、丹念に綴っている。

吉田拓郎氏へのインタビュー、そして、井上陽水氏
アルバム「氷の世界」が生まれるまでの関係者の話、
どうして彼らが「社会現象化」していったのか、リアル
タイムで見ていない私にもよくわかる。それにしても、
若き日の拓郎さんの、なんという誇りに満ちた、
輝きに満ちた瞳!

大塚まさじ氏、加藤和彦氏がそれぞれ、ご本人の
口から語る「ディラン」とサディスティック・ミカ・バンド。
今だから言える、ということも多いのかもしれない。
その頃の大阪とロンドンの空気、においが私の
前に広がる。

そして、中川五郎氏による、愛あふれる、高田渡さん
への追悼文。

私たち「フォークは教科書に載っていた世代」としては、
ありがたいのが「ロック・フォーク大人脈図」。完全、とは
言えないかもしれないけれど、「誰がこのグループに
いて、どう動いたか」良く見える。

「フォーク兄貴・姉貴に憧れた世代」の代表と
して、佐野史郎・泉麻人氏の意見は聞いておきたい。
なにせ、佐野さんは1971年の中津川に、高校の
夏休みを利用して島根からはるばるやってきて、設営の
手伝いまでした(!)のだそうだ。そして、生まれも育ちも
東京の泉さんが、及川恒平さんと六文銭の
「面影橋から」の面影橋を都内だと思っていた、
などというのは、情報が溢れていなかった当時を
思わせ、なんだかほほえましい。

また、「名物ヤング番組 東西対決」も捨てがたい
けれど、「横浜からの新しい音楽の波」とでも銘打ち、
「ヤングインパルス」のことは取り上げてほしかったな、と
思う。

それにしても、「ヤング○○」という響きには、若者が
自分たちの言葉で発信することがとても困難なこと
だった、その頃の時代性を感じる。事実、TBS
「ヤング720」は、生放送では若者が何をしでかすか、と
幹部が恐れたという理由で、ノーカットのVTR収録
だったと書かれている。

基本的にこの「AERA in FOLK」は、日本の
フォークの原点の動きを主にたどり、検証して
いる気がした。それは、現在にまでつながる
「若者の、若者による、若者のための、音楽」の
出発点。

そして、それから30年以上の月日が流れる。
フォーク世代は還暦を迎えつつあり、憧れた
世代は、「フォーク居酒屋」を開いて、自分で
歌うようになっていた。この雑誌には、「蕎麦を
打つより弦を張れ」という、フォーク居酒屋が
ブーム、という記事もある(折りしも、この雑誌の
発売日に、杉並・荻窪の落陽TBSラジオ系で
全国に紹介された)。

でも、この「AERA in FOLK」を見ていると、
これらのマスメディアの動きは、単なる
偶然ではない、と気づく。

みな、「あの、ティーンの時の、甘酸っぱい
憧れの気持ち」を持ち続け、大人になって
ひと仕事成した今、それを形として実現して
いるに過ぎないのだ、と。

蕎麦を打ちたい方は打てばいい。でも、蕎麦
ではなく、ギターをもう一度手に取る方が
いてもいいのだ。

あの頃、「若者の、若者による、若者のための、
音楽」を始めた方々が、あちこちで今も歌い
続けられている。

若者が発信する、ということは、日本ではこの方たち
なくしては起こりえなかったこと。その方たちに
敬意を払い、そして、そばで応援させていただき
ながら、きっとこれからも私はこの音楽を聞き
続けるのだろう。
この雑誌を読み終え、改めてそんな感慨を抱いた。

|

« web連載 第23回更新 | トップページ | 「一流」を支える「一流」の人々 »

コメント

いつもながら、ステキな文章で・・・
今日 買って帰ろう と思いました。
落陽に来る方の目の輝きは 少年そのものなんです。
そんな方々の小さな遊びを 夢を支える落陽で
ありたいです。
そして私も ずっと音楽を聴いて 弾き語って生きたいとおもいます。

投稿: 落陽 ミッキー | 2006/03/31 13:33

>落陽 ミッキーさん

いつもありがとうございます。
そうですね、落陽に集う皆さんは
本当に瞳を輝かせて弾いて
いらっしゃいますね!

私も音楽の楽しさに寄り添う
人生でありたい、と思います。

投稿: つきのみどり | 2006/03/31 20:35

4/2に春一番バナナホール編が現在閉館中の同ホールであり、夕方から終電まで楽しみました。アエラには福岡風太さんの記事もありましたね。このイベントのあとで本は買いました。  昔のことは知りませんが現在も活躍中の方々の記事に、ひとつの時代を感じました。 16日には京都で高田渡さんの主治医、藤村直樹さんと及川恒平さんと茶木みやこさんのライブが。すばらしい会でした。お客さんも熱かったし会場側の対応も良かった。終了後打ち上げも参加し満足しました。  また上京の時はよろしく。それでは失礼します。

投稿: 浜ちゃん | 2006/04/19 19:09

>浜ちゃん


こんばんは、「春一番」のことで、
何か書いて下さると思っていました。
ありがとうございます。(^0^)

バナナホールの件は東京でも話題に
なっています。なんとかならないか、と
いう思いを私も持っています。

16日のライブは成功だったのですね、
安心しました。こちら東京・吉祥寺では
高田渡さんの追悼ミサが行なわれたの
ですよ。

19日のNHK「クローズアップ現代」では
吉田拓郎さんと、団塊世代の人々の、
音楽への回帰を取り上げていました。
お元気で歌い続けて下さる方々には
敬意を持ちますし、応援させて
いただけたら、と思います。


またお気をつけて上京していらして
下さいね!

投稿: つきのみどり | 2006/04/20 01:15

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/73691/9348164

この記事へのトラックバック一覧です: 「AERA in FOLK」 原点の検証:

« web連載 第23回更新 | トップページ | 「一流」を支える「一流」の人々 »