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2006/03/21

茶木みやこさんLive 愁いある美声

blog060321-A

茶木みやこさんのライブが、
3/19、吉祥寺・のろ
行なわれた。

茶木さんのお名前と曲を初めて
聞いたのは、「横溝正史シリーズ」と
いうTV番組だった。たぶん1年半
くらい前のことだろう。
東京MXTVで放送されていた。

30年近く前の映像で、現代版の映像よりはるかに
暗くて怖い。いとこが以前、「『ゲゲゲの鬼太郎』って、
古い作品のほうが好きだったよ、怖さがぜんぜん
違うからね」と語っていたのをなぜか思い出した。

こういうものの苦手な私。古谷一行氏の
演じる金田一は良いのだが、血しぶき、絶叫、
おどろおどろしい場面の連続…昔のテレビなら
ともかく、今の技術の進歩したテレビで見るのは、
なんともリアルで怖いと感じた。私にとっては、
ようやく、という気持ちで話が終わった。そして、
ラストに出た、歌とテロップに気づいた。

主題歌 あざみの如く棘あれば 
作詞 阿久悠
作曲 茶木みやこ
歌  茶木みやこ

(自分で曲を作って歌っている、ということは、
フォークシンガーの方なのかな。ということは、
当時の若い世代…)
それにしては、と、彼女の歌を聞きつつ、20代の
女性であるはずなのに、どこか憂いを帯びた
その声が強く印象に残った。

この「横溝シリーズ」では、「八つ墓村」、「真珠郎」、
「女王蜂」などが放送された。おどろおどろしい
展開が終わり、ラストで茶木さんの歌声が聞こえてくると、
(あぁ、今週もこれで番組は終わり)
と、ほっとしたものだった。

先週くらいだったか、その、茶木さんが吉祥寺で
ライブをするという話を、及川恒平さんのサイトで
読む。恒平さんがゲストでいらっしゃるのだそうだ。
急遽行くことに決まる。

こうして、私と茶木さんの歌との出会いは、いつも
突然にやってくる。

吉祥寺ののろ、30年を迎えたライブハウス。中に
入ると、30年分の歌がしみこんだ趣がある。木の
椅子、テーブル、昔の学校のような匂いがする。
今日は女性アーティストだからか、男性の観客が
半分以上、といったところ。日曜なので(お店が
休みだから)、手風琴落陽のマスターのお顔も
見える。

そして、定刻を少し過ぎた頃、ふっ、と出ていらして、
おもむろに分厚いファイルを譜面台の上に置き、
そして、ライブを始められた。

blog060321-B


今日は、1976年発表の
CD「翔べなくなるわ」の
復刻盤が出た、という
ことで、まずはこのアルバム
収録曲からの歌が並ぶ。
「かくれんぼ」、「今はもう」、「サヨナラ
なんてしなくても」、「Lady Jane」…。

(あ、あのテレビからの歌声と同じだ)
愁いを帯びた、どこかさびしげな、でも、きれいな
歌声が耳に入る。
観客も、歌を聞きに来ている、ということか、
デジカメやケイタイを向ける人がとても少ない
気がする。

「こんばんは、ようこそ、おおきに」
トークは関西弁(正確には京都弁?)、歌は標準語。
歌は愁いを帯びているけれど、トークの時に見せる
笑顔はとてもチャーミング。
「さっき、歌詞を間違えましてね…自己申告します。
これは、大塚まさじさんと共演した時に、大塚さんの
姿から学びました」
こういったところが、きっと、茶木さんの魅力なんだろう。

そして、恒平さんを呼び入れ、ご一緒に、「にぎやかな木々」。
女性が入ると、この曲のなまめかしさが一層際立ち、
男性一人で歌う時とはまったく違う顔を見せる。
この曲はまた違う女性とのコラボで聞いてみたい。

その後、恒平さんのソロコーナー。「ほしのはだ」、
「地下書店」、「引き潮」、「面影橋から」など、6曲
歌っていちどご退場。

「もう飲んでもいいよね?」恒平さんの声が後ろから聞こえる。
真面目そうで、どこか天然な恒平さんに、
「この人、どういう人かわからんわ」
と、笑う茶木さん。
(茶木さん、恒平さんは永遠の文学青年でもあり、
永遠のいたずらっ子でもあり、その全部が彼なんですよ)

再び茶木さんのライブに戻る。「生活の柄」、「この、
のろを教えてくれたのは高田さんで、ちょうど1年前
共演して…」言葉に詰まる。「まぼろしの人」、
「阿久悠さんにこの曲はほめられました」というお話が出る。

「地図どうりに走りきったあなた」、初めて聞いた私にも、
(あ、円谷幸吉さんのことだ)
と、わかる。その日の朝、「東京新聞」のサイトで、
マラソンランナー・有森裕子さんのインタビュー記事を
読んだのを思い出す。有森さんは、「円谷さんの
ような悲劇を繰り返してはならない」という信念で
活動をしているそうだ。

東京オリンピックでメダル獲得、その後、日本中の
期待の中で人知れずケガを抱え、苦悩の果てに、
自ら命を絶ってしまった円谷さん。
円谷さんの生き様はこうして語り継がれ、悲劇は
繰り返されぬよう、その名は伝えられていく。

「どんな出会いでもね、今、出会うということが
大事だと思います」
数々の出会いと別れを積み重ねてきた方ならではの、
重みある言葉。
「雨のひとりごと」、「泪橋」、そして、最新の「I say hello」で
ライブは終わる。

そして、満場の拍手に、深々とお辞儀をして再登場した
茶木さんは、アンコールで「かけたコーヒーカップ」、
そして、恒平さんとのセッションで「風が欲しい」を歌われた。

和気あいあい、という雰囲気の中、打ち上げが始まる。
恒平さんと茶木さんとの会話を聞いている中で、
茶木さんが「阿久さんが、『あまり売れなかったが 
なぜか愛しい歌』
で、『あざみの如く棘あれば』を取り
上げてくれていて…そうやって取り上げてくれる、という
ことは、愛着があるということでしょう、嬉しいわ」という
話をされる。

(ふぅん、あの歌、大ヒットではなかったのね)
でも、テレビで流れる、ということは、私のように、
こうして思いがけない出会いをもたらすことがある。

子育てなどを経て、あの頃の声と同じままに、
また歌いはじめた茶木さん。ご自分のペースで
今後もライブは続けていかれるらしい。

私にとっては思いがけない出会い、だったけれど、
「茶木さん、そして、茶木さんの歌の世界」に
触れられて良かった、という満たされた気持ちで、
家路についた。

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コメント

昨日兵庫県北部の豊岡市で、ゆめ風基金総会のイベント永六輔・小室等トーク&コンサートに参加しました。終了後但馬空港へのタクシーに乗る小室さんにあいさつすると吉祥寺はどうだった?と。恒平さん力入ってました、と答えると、にこやかな笑みを返しながら、乗り込まれました。   豊岡はわずか2時間で飛行機では東京へ着きますが、尼崎までは普通電車を乗り継ぐと3時間半かかります。さて、19日は前日遅くに吉祥寺に着き、のろの加藤さんにあいさつして駅近辺のネットカフェで一晩明かし、昼に神宮球場でのオープン戦を途中まで見てから、またのろにもどりました。30名程度の予約だったのでお客さんは少しすくなかったかも。茶木さんソロ7曲、恒平さんと1曲にぎやかな木々、恒平さんソロ6曲、茶木さんまたソロ8曲、アンコール2曲最後の、風が欲しい、は恒平さんと。以上24曲。高田渡さんの生活の柄、河島英五さんの旅的途上、も入れながらのライブにふと感慨が。   実は最後茶木さんが話が詰まった時に横のカメラ撮影を小声で制止しました。 フラッシュは光ってなかったのですが回数が多かったし…。ポリシーは理解できますが。私の後ろからも撮ってたのね。思わず苦笑です。          楽しいライブと打ち上げでした。それでは、またよろしく。失礼します。

投稿: 浜ちゃん | 2006/03/22 15:39

>浜ちゃんさん


吉祥寺、そして豊岡もお疲れ様でした。


今回は本当に撮影する方が少なくて、
自分でも驚きつつ聞いていました。
それだけ皆さん「歌をじっくり」と
いうことなのでしょうね。

撮影を制止されたのですね、
確かにたくさん撮っている方が
いましたね(わたしはお店も
茶木さんライブも初めてで、
どういったご関係の方か
わかりかねたので…)。


結局、私もライブ中に撮ったのは
合計2枚だけでした。もちろん
フラッシュは使っておりません。
アーティストの方を
驚かせてしまいますものね。


ちなみに今回からデジカメを
替えたので、そのせいで
音もあまりしなかったのかも
しれません。何はともあれ、
後ろから失礼しました。m(__)m


こちらこそ、またよろしく
お願い致します。(^0^)

投稿: つきのみどり | 2006/03/22 22:50

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