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2006/03/03

春のにおいがしてきたら…

2006年の3月、弥生。

春の訪れを感じることは、都会にいても結構ある。
冷たい北風が吹き止み、ある日突然あたたかい
南風が吹くこと。梅の花がほころぶこと。雪では
なくて、雨が降るようになること。

歌だったら、尾崎亜美「春の予感」、キャンディーズ
「春一番」、EPO「う・ふ・ふ・ふ」、そして、
よしだたくろう(&よしだけいこ=四角佳子
「春の風が吹いていたら」…こんなメロディーが
巷で聞かれるようになること。

でも、食いしん坊の私には、何と言っても「食べ物」で
春の訪れを感じることが一番多いし、大好きなこと!

ハマグリやアサリがおいしくなるのは春。ひな祭りに、
ハマグリのお吸い物は欠かせない。
そして、菜の花なんかも食べられる時期になると、
(あぁ、春が来るなぁ…)
と、しみじみ感じる。

仕事上、毎日多くの書類を持ち歩く私の荷物は、
どうやらひと様よりもかなり重いらしい。学生時代から
慣れっこなので気にならないのだが、実家にいた頃は、
よく母に「あなたのかばんはどうしてこんなに重いん
でしょうね、紙って重いのよね」と言われた。

だから、仕事帰りにさらに多くの食料品を抱えて
帰るのはかなりシンドイ。そこで、生協の宅配と、
ここ、紅光さんの「おまかせセット」を愛用している。
これに、行きつけのスーパーで足りないものを
買い足していく、というのが日常のスタイル。

最近都会では、生協の店舗は振るわないのに、
宅配は人気がある。街で生協のトラックが毎日
あちこち走り回っているのを見かける。生協の宅配は、
カタログにあるものは何でも買えるけれど、自分で
あらかじめ何が届くか分かっているから、箱を開ける
時の「ドキドキ、わくわく」感はまるでない。ただ、
毎週必ず来てくれるので、私の生活には絶対
欠かせない、助かる「右腕」であることには間違いない。

でも、紅光さんの「おまかせセット」は、社長さん以下
スタッフさんが選んでくれるので、「食べられないもの、
困るもの」だけお願いしておけば、あとは毎回何が
入っているのか、期待が大きい。にんじん、じゃがいも、
キャベツ、小松菜、卵(近所の農家の朝いちばんの
産みたて)…毎日のように食べるもの、そして、本業の
「おいしいくだもの」(清水エスパルスにも果物を届けて
いる)まで、毎週20種類近くもの「サプライズ」が
届けられる。

だから、セットが届く、2週間ごとにやってくる水曜日は、
私にとって「早く家に帰って、箱を開けたい」日。

この1日は、まさにその日だった。だから、この日は、
買い物をほとんどしないで帰る。帰って、箱を開けてから
夕食を考える。1日の東京は、冷たい雨が一日降りしきる
日だった。こういう日に買い物をしなくていいのは、本当に
ありがたい。
宅配便の方が来る。そして、届けられたばかりの箱を開ける。
(わぁ…)
今日は春キャベツ、そして、菜の花もある!

頭の中であれこれメニューを考える。仕度をしながら、
空いたお鍋で、一緒に入っていた小松菜やブロッコリーを
ゆでて、キーパーにストックしていく。

というわけで、夕食完成!

blog060303

今日生協から届いたベーコンに、
さっきの春キャベツ、大根などを入れて、
「キャベツとベーコンのスープ」。
紅光さんのサツマイモは、甘くて
おいしい。ゆでたてをそのまま食べると、
甘みが口の中いっぱいに広がる
。だから、さつまいもが入っていると、
ひそかに嬉しい。

幼い頃から好きだったスイートポテトを、この頃あまり
食べたいと思わないのは、「素材の本当の甘み」を
知ってしまったからかもしれない。

菜の花はさっとゆでて、自家製マヨネーズ(ゆるめに
作った)、蟹も入れてちょっと豪華にいただく。
「いただきまーす」

こうして、今日もおいしい夕食の献立が揃った。
味をかみしめながら、ふと思う。月並みだけれど、私の
口にこの食べ物がたどり着くまで、どれだけの方の
ご苦労があるのか。野菜や動物を育てている方、
採れたものを運んでいる方、売る方…。目には
見えないけれども、「多くの方に支えられて、
生きていくことができる」、そんな思いがこみあげる。

少し前、「給食費を払っているのだから、学校で
”いただきます”を言わせないでほしい」という意見が
出て、カンカンガクガク大論争が巻き起こった。私も
web連載第16回で取り上げたし、実際に
生徒たちにも意見を聞いてみた。

すると、生徒たちの大半は「そんなことを言うなんて
信じられない」という意見を口にした。よく聞けば、
「幼いころから、幼稚園、保育園、また、小学校の
先生や保護者に”いただきます、と言いなさい”と
言われ続けてきた。それは、魚や肉として食べる
ものの命に対して、作ってくださった方に対して、そして、
お金を払ってくれる保護者に対しての感謝の気持ち
だから」という意味のことを口々に話し、「小さなころは
意味がわからなかったけれど、この頃は意味がわかる
ようになってきた」とも語っていた。

生徒たちがこう思えるのは、彼らを今まで教えてきて
下さった、先生方のご指導のたまもの。だから、
「いただきます」に限らないけれど、言葉の意味を
きちんと教えれば、子どもたちはいつかその意味が
わかるようになるものなのだ、と改めて私も教えられた。

人は、決して、自分ひとりで生きているのではない。
家で静かに過ごしている時に、孤独感を抱くことも珍しくない。

でも、こういう風に「食べ物の由来」を考えるだけでも、
自分ひとりで生きているのではない、と気づく。こうして
おいしく食事を作れる、ということだけ考えても、それは
充分わかること。

春は食べ物のおいしくなる季節。そんな食べ物の
おいしさに感謝して、そうだ、また明日から元気に
生きていこう!!


【追記】
私がweb連載させていただいている、「ロゼッタストーン」
webで、男性編集者さんが社長さんと自分のために
作る「今日の晩御飯」、これを見ていると、
私もおいしいものを作ろう!という気にさせられる。

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コメント

>「給食費を払っているのだから、学校で”いただきます”を言わせないでほしい」
先日、ドラマ「喰いタン」中にも出てきました。
でも給食費どうこうとか感謝するとかって言う事でもなくみんなで食べる時の挨拶としてあって良いんじゃないかと思うのですが?「ごちそうさま」も。 『これから食事します』と『終わりました』的意味合い。
でも料理は誰かが作ってくれてこそ食べられるものだから(たとえそれが仕事としてでも)、それに対する感謝の気持ちも少しは持っても良いんじゃないかな、と家の食事係としては思いますねえ。(笑)
もちろん息子達がご飯作をってくれた時も同じですが。(「ありがとう」の気持ちとともに)
うちでは「感謝」とは教えていないけれど、取り敢えずみんなで一緒に食事するときの「礼儀」位には捉えているのではないかと思います。(^^)
外食やひとりごはんの時は心の中で・・・スイッチのオン/オフがあるかな。

投稿: SHIMA | 2006/03/06 18:10

>SHIMAさん

ごぶさたしております、
コメントありがとうございます。

>>「給食費を払っているのだから、学校で
>>”いただきます”を言わせないでほしい」
>先日、ドラマ「喰いタン」中にも出てきました。

そのようでしたね、ありがとうございます。
「食べ物」絡みで製作者が押さえたの
でしょうかね?

>うちでは「感謝」とは教えていないけれど、
>取り敢えずみんなで一緒に食事するときの
>「礼儀」位には捉えているのではないかと

でも、礼儀としてでも教わっていれば、
のちに「なぜその礼儀が必要なのか」
考えるようになるかもしれませんよね。

ひとりの時は、私もやっぱり心の中で
スイッチを切り替えたり、家だったら
ひとりでも「いただきます」と言ったり
しています(笑)。

そちらは春の足音まで、もうひと息、
でしょうか。お体に気をつけて
お過ごし下さいね。

投稿: つきのみどり | 2006/03/06 23:59

こんにちは。紅光から参りました。
おいしそうな画像、そしてうれしいコメント
ありがとうございます。

余談ですが、静岡の方言を一つ。
「いただきます」に対して食事が終わった時の言葉は
「いただきました」。
これって標準語だと思っていたよ。
大学に入って、周りの友人に大笑いされて始めて
方言だと気づきました。
小学校の時には確かクラスのみんなで
「いただきました」って言ってたような気がするんだけど。

投稿: ふじこ | 2006/03/07 12:30

>ふじこさん

こちらこそいつもありがとうございます。
「いただきました」信州でも言うらしい
ですね。最近の長野県の先生方は、
「これは方言です」と教えるように
している、という話も聞きました。

そして、どうやら静岡県内でも、
全部の地域で言うわけではない
ようですよ。

静岡県は、言語学的に見ても東西の
境目、だからいろんな方言が見られて
面白いですよね。

これからもおいしい旬のものを
お願いします。(^0^)

投稿: つきのみどり | 2006/03/08 00:45

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