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2006/04/18

映画「クライング・フィスト」 人生という名のリング

Blog060418a

4/15から公開されている、
映画「クライング・フィスト」

公開後間もない映画館に、ミネラル
ウォーター片手に駆けつけた。
この映画、実は韓国の作品。監督は
リュ・スンワン氏。

かつてアジア大会で銀メダルを獲得した
人気ボクサー、カン・テシク(チェ・ミンスク)。
栄光を手に入れたはずの彼が、事業に失敗して
「殴られ屋」となる。

時を同じくして、日々のケンカと恐喝の果て、
少年院に送られたユ・サンファン(リュ・スンボム)。
少年院でボクシングと出会い、ボクシングに
打ち込む毎日。

そんなふたりが、ひょんなことからボクシングの
「新人王戦」への参戦を誓い、それぞれ過酷な
トレーニングを積む。そして、決勝戦のリング、
40歳と20歳の闘いの火蓋が切って落とされる…。

この映画の主人公には、実は、モデルがいる。
「殴られ屋」のモデルは、かつてヨネクラジムに
所属するプロボクサーだった、日本人の晴留屋明
(はれるや・あきら)さん。そして、少年のモデルは、
韓国人の格闘家、ソ・チョル氏。

事業に失敗し、無一文になり、1分間殴られ放題の
「人間サンドバッグ」となり、お客からお金を取る
「殴られ屋」。文字で書くと、たったこれだけでしか
ないが、映像で見ているだけでも壮絶さが伝わって
くる。

また、世の中全てを信用しておらず、お金を求めて
飢えたハイエナのように歩き回り、少年院でも
暴れまわる「非行少年」の瞳も、見ているこちらが
痛々しくなる。

映画を見ているとつい忘れそうになるが、
忘れてはならないことがある。
これらの人には実在のモデルがいるのだ。

スクリーンで見ているだけでも心臓をわしづかみに
されるほどなのに、実際に会ったら、いったい
なんと言葉を発したら良いのだろうか、という
思いが胸をよぎる。

そんな彼らを必死に大きな愛で包もうとする家族、
支援者、そして、少年院の職員。「愛」とも「友情」とも
「支援」とも誰ひとり口にしないが、その姿、発する
言葉の全てが、「殴られ屋」と「非行少年」への
偉大なる愛になっている。

こんな風に大きな愛に包まれた、元「殴られ屋」と
元「非行少年」がリングに上がる姿を見ると、「人は
みな、ボクシングの試合を戦うように、人生という
名のリングで戦っているのだ」と思わずにはいられない。

人生という名のリングには、必ず、栄光の瞬間もあれば、
絶望の淵につき落される時もある。しかし、人はみな、
有形無形の支援を受けながら、リングに叩きつけ
られても、再び立ち上がる。そう、支援があるからこそ、
人は再び立ち上がることができるのだ。

だから、この映画は、壮絶な男ふたりの生きざまを通し、
自分の人生への、新たな生きる希望を与えてくれる。

映画公開に先立ち、4/13、新宿のネイキッドロフトで、
映画のモデル、晴留屋明さんの「殴られ屋引退
セレモニー」も開かれた。この作品、実は、彼の
ドキュメンタリー映像を韓国で見た監督が、
映画化を決意して生まれたものなのだそうだ。

Blog060418b


このイベントには、晴留屋さんを慕う方々が
たくさん顔を出された。電撃ネットワーク
南部虎弾さん、アナーキーのギタリスト
藤沼伸一さん、催眠術・気孔師の川上剛史さん
(かつて、とんねるずの「生ダラ」に出ていらした)、
お笑いのみつまJAPANさん、落語家・桂歌蔵さん、
俳優・山本修司さん、映画評論家・塩田時敏さん、
そして、晴留屋さんと同じ「ロゼッタストーン」
web連載仲間・川島佑介さん、めぐメグさん、
MIZKさん…多彩な顔ぶれが並んだ。

皆さんがそれぞれ晴留屋さんを応援したい、
という気持ちに満ちていた。私も、ステージに
こそ上がらないけれど、応援の気持ちを
胸に抱いて、やってきた。

晴留屋さんは「殴られ屋」の後遺症で、左目は
網膜はく離で失明、そして、脳の一部の機能にも
障害が出ているらしい。だから、この日も新宿駅に
来なければならないのに、東京駅に行ってしまった、と
いうことだった。

イベントの中で、川島佑介さんが弾き語りをなさる。
川島さんは、歌舞伎町で「殴られ屋」をしていた
晴留屋さんを実際にご覧になったことがあり、
晴留屋さんへのエールをこめて作ったのが、
「It’s my melody」という曲なのだそうだ。

「殴られ屋」の姿に、あまりにも大きな衝撃を受け、
その場をにわかには立ち去ることができなかった、と
川島さんは言われていたが、映画を見ると、その
壮絶さの一端が想像できる。

でも、映画「クライング・フィスト」では、戦いを終えた
ふたりの笑顔が素晴らしい。エンドロールでも、
誰ひとり席を立つことなく、映画の余韻に浸っていた。

だから、映画館を出る時、爽やかな、そして、確かな
生きる希望に満たされながら、改めて晴留屋さんの
穏やかで平和な幸せの日々の訪れを願わずには
いられなかった。

※映画は順次全国で公開予定、詳しくはブログ
右側の公式サイトへのリンクから、チェック願いたい。

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