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2006/11/12

猫 Live in 広島 あの日、そして、今

11/5、猫の今回のツアーの締めくくりの
ライブが、広島・J’s Barで開かれた。

博多駅から新幹線で1時間、一路広島へ。
乗り込んだ新幹線は、「ひかり
レールスター700系
」。「新大阪行き」とある
表示と、聞き慣れない名前に、JR西日本エリアで
しか走っていない新幹線だろう、と気づく。

そして、乗った車両は「サイレンス・カー」。これは、
車内放送が一切ない。つまり、電光掲示板でしか、
到着の案内が出ない。検札も、車掌さんの
持っている端末で確認できるらしく、私たちは
乗車してから降りるまで、誰にも声をかけられる
ことはなかった。爆睡したりしなければ、スピードが
落ちて、どこか停車駅に近づいていることもわかるし、
とても快適な移動だった。

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秋晴れの日差しが
まぶしい中、初めての
広島の街をうろうろ歩く私。

原爆ドームと、街のにぎわいに、兵器の恐ろしさ、
絶望と廃墟の中から立ち上がった人の強さ、
そして、この街はもちろん、日本、そして
世界が永遠に平和であることを、強く
願わずにはいられなかった。

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広島市民球場は、
原爆ドームと
相生(あいおい)通りをはさんで
向き合うように立っている。(あとで
J’s Barのマスター、カンパチさんに
聞いた話によると、広島駅付近に移転が
決定しているとか)

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路面電車に乗り、
J’s Barに向かう。
今日は東京からの方も、昨日まで
より増えている。でも、「スタッフ席」と
いう表示を見て、「なんね、ここ、座れんけんね」と
いうお声が聞こえるのは、やっぱり広島。

「時の贈りもの」、「たどり着いたらいつも雨降り」の
メドレーで今日もライブがスタート。「たどり着いたら…」
では、拍手が沸き起こる。そう、やっぱりここは、
吉田拓郎さんの故郷、広島!

「僕のエピローグ」、「昼下がりの街」、「What a
Wonderful World」。客席も早くも盛り上がっている。

石山さんのMCで、「広島、と言えば、村下孝蔵さんの
思い出も…。僕は同じ年です」と話が出る。石山さんは
猫の解散後、村下さんのステージでもサポートを
されていた。「Café Mangosteen」、「常春」、「各駅停車」、
「Sanfrancisco Bay Blues」と順調に進み、前半終了。

後半はまず、「地下鉄に乗って」、「Namida」、「いい娘
だね」と、今の猫の良さを凝縮した3曲。

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そして、今回の
ライブのスペシャル、
かつて吉田拓郎さんの「ミニバンド」で
いらした、井口喜典さんと、田辺和博さんが
ステージに上がり、「夏休み」を弾いて下さった。
井口さんがベース、田辺さんがエレキを弾かれる。

お二人の演奏とコーラスを聞いて、
(あ、レコードの音と同じ!)
と、私でも気がついた。この間、石山さんは
手拍子で応援。

「音楽とは結局、”人”なんですよね。同じ楽器を
弾いても、同じ音は絶対出ないんですよ。この音は
このふたりにしか出せません」
「音楽は、一瞬でその時代に飛ぶ”魔力”を持って
いますよね」
常富さんのMCが、心に残る。

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ミニバンドの
ご両人は、
ステージを降りられる。
「Grapefruit Moon」。この曲で一気に、
猫ワールドに引き戻される。「人生なんて
そんなものさ」、「Don’t Think Twice,
It’s All Right」。「Don’t Think…」は、魂のこもった
演奏。
(お二人の演奏の相乗効果?)

「わたしの足音」、「コスモス」、「雪」で盛り上がり、
本編は終了。

アンコールは、まず「My Way」。涙ぐむ観客の姿も
見える。そして、「海は恋してる」で一気に盛り上がり、
ライトまで拍手にあわせて点滅する、というお茶目な
おまけつきのラストを迎えた。

ライブ後、マスターはもちろん、「中国山脈を越え、
山陰地方から運転してお店に来た」という方などと、
おしゃべりが弾む。

おしゃべりをしながらも、私の心には、常富さんの
MCが繰り返し響いていた。

音楽に限らず、同じものを扱っても(私のような
仕事で言えば、同じ教材を教えても)、人が違えば、
同じように他人に伝えられるわけではない。
そこが個性であり、力量であり、要するに「その人と
いう存在感」となってくる。
(私も、私なりの「存在感あるサウンド」を奏で
なくっちゃね)

そして、拓郎さんの音楽にあまり縁のなかった私で
さえも、サウンドとコーラスで気づくほどだった、
ミニバンドのご両人の演奏。昔から猫や拓郎さんの
ファンだった方々にとっては、一瞬にして、「あの日」に
タイムスリップして感動し、そして、「今」こうして
目の前で聞ける幸せをかみしめられたことだろう。

「ちょっと何か食べたいよね」
おしゃべりもひと段落つき、猫の皆さん、そして
ファン数人で、猫の皆さんがお泊まりのホテルへ
向かう。夜道を歩きながら、何か発見。
(ビール瓶が割れている、そんなに
物騒…ケンカ、それとも酔っ払い?)

猫の皆さんは、一度お部屋へ楽器を片付けに
戻られる。その間、私たちはおしゃべりしながら、
ホテルの前で待っている。

すると。
「こんばんは、何の集まりですか」
近くの交番から、おまわりさん3人が確かめに!
最年長らしいおまわりさんが、聞いてきた。
これって職務質問?!
「人を待ってます」

今回のライブの影の立役者のファンの方が、
答えて下さる。
「ギターケースか何か、持っとりましたよね」
(武器か何かを隠していると思われた?!)
「フォークグループの猫の皆さんが、近くでライブを
終えられて、今、食事でも行こうかって片付けて
いらっしゃるのを待ってるんです」

最年長のおまわりさん、少し顔色が変わる。
「ほう…フォークですか、今も活動されとるんですか」
「そうです」
「私、原田真二さんの高校の2年後輩です」

そのおまわりさん、相好を崩す。隣で苦笑した、
新米おまわりさんに、
「笑うなよ、フォークってわしらの青春の音楽
じゃけんね…」
と言うと、私たちに向き直り、こう笑って言われた。
「すみませんね、私の半分くらいの年なもんで」
「そうでしたか」

「事情はわかりました、近くは民家もあるので、
お静かにお願いします」
「はい、わかりました。お疲れ様です」
そうこうするうち、猫の皆さんが戻っていらした。

音楽は、一瞬にして、「あの日」の自分を思い出し、
そして、「今」の自分にパワーをくれる。そして、
音楽の持つ力は、立場も肩書きも越えて、人を
結びつける。

そんな音楽の魔力を改めて思い知らされ、そして、
生きる希望をもらった、今回の旅だった。

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コメント

 もう一週間たちましたか。その間に木曜日に横浜、土曜日に愛知県海部郡蟹江町へ、現在名古屋駅前のまんが喫茶で始発待ちしてます。           広島の飲み屋街の真ん中にあるライブバーで熱いファンの声を背中に受け前で見ていて、みんなの熱意を感じました。       最近関西、特に大阪の小さいライブハウスからやや遠ざかっていて、どうしても定番のところに行きがちです。          和歌山市の北ノ新地のラバーソウルも飲み屋街の、やや小作りのところでしたが、街の賑やかさが違いました。          終演後の飲み放題のご好意にも感謝します。    コンサートが続いたのでまだ疲れが回復せず土曜日も、うとうとしてました。 北九州と広島のライブのお世話に、お疲れさまでした。           また18日の東京で。それまでには元気を回復します。失礼します。

投稿: 浜ちゃん | 2006/11/12 04:55

>浜ちゃん


こんにちは、広島のあとも横浜など、
お疲れ様でした。m(__)m

私たちは、帰京してからは
仕事に追われていました。


街もにぎやかでしたし、こちらの
お店は音響もピカイチで、また、
「ライブ後の、ご厚意での飲み放題」
には、心底驚きましたね。マスターの
お人柄と温かさに感謝、です。


ライブのお世話は、私はしておりません。
他の皆さんに厚くお礼申し上げます。


また東京においでなのですね。
今日は木枯らし1号でした、
いよいよ冬の足音が大きくなって
きました、お気をつけておいで
下さい!

投稿: つきのみどり | 2006/11/12 12:32

楽しそうなツアーでしたね。広島だけはどうしても行きたかったのですが、年に1度か2度の家族旅行だったので残念でした。次回の広島だけはなんとしてでも行きたいです。
昨夜は札幌の不良フォークおじさんたちと滅多に行かない某フォーク酒場でセッションしました。
3日酔いでカラダがぼろぼろです(笑)

投稿: よおこJ45 | 2006/11/12 15:32

>よおこJ45さん


こんにちは、コメントありがとう
ございます。


広島、残念でいらっしゃいましたね。
でも、ご家族との旅行をお楽しみになれて
良かったと思いますし、広島はまた
必ず次の機会があるのではないでしょうか。


11/10の武道館からお楽しみが
続いているご様子ですね、お体
ご自愛下さいますように。

投稿: つきのみどり | 2006/11/12 16:47

あの夜からあっという間に1週間経ってしまいましたね。
あの日はライブだけでなく、終わってからも楽しく過ごすことができました。
これも猫をはじめ、皆さんのお陰だと思っています。


皆さんがお帰りになってからの話も書いてあり興味深く読みました。
警察官に呼び止められたのは僕もです。
運転中に止まれって後ろからパトカーで追いかけられ飲酒の検査をさせられました。
当たり前だけど、警察は昼夜なく働いてるんですね。

投稿: クラ・スカ | 2006/11/13 00:44

>クラ・スカさん


広島ではありがとうございました。
お返事お待たせして失礼しました。


猫の皆さんはもちろん、マスターや
多くの方との交流が楽しい一夜
でしたね。


飲酒運転の検査にあわれたのですね。
もちろん、大丈夫でいらしたことと
思いますが、それにしても事故・
事件が多く、警察の方の
ご苦労は大変だと思います。
(そのご苦労があるから、
私たちは平穏に暮らせるわけですが…)


またどこかのライブで、お目に
かかりたいですね!

投稿: つきのみどり | 2006/11/13 17:03

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    2006.11.10               猫 Live in J's Bar 広島 2006年11月5日       最後の街 広島は特別な想い出になった        博多から晴れ渡った 関門海峡 を越え         山口県を一気に走り抜け          広島県に入った           高速を降りトンネルを抜けると            懐かしい広島の街が広がった             橋を数本渡り繁華街から 薬研堀 に入る              日曜の... [続きを読む]

受信: 2006/11/12 08:44

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