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2007/02/05

私立中学受験過熱に思う

東京では2/1、といえば、この数年
「私立中学受験開始日」という認識が
広まりつつある。

受験校の校門前で塾の先生が声をかける、と
いった、昔ながらの光景に始まり、最近では
「インターネットで合格発表」など、IT化に伴って、
昔では見られなかった光景も当たり前になりつつ
ある。

子どもの数は減っているのに、受験者数は過去
最高とも言われる。本来なら「義務教育」の中学
進学なので、受験をしなくても、中学に行くことは
できる。それにもかかわらず、お金と犠牲を払い、
勉強している親子が多くいる。

そのこと自体をとやかく言うつもりはない。ゆとり
教育への批判、不安もあるだろう。公立校教員の
家庭の子どもが私立小・中学校で勉強している
ことも珍しくない。

ただ、私が現場にいて気になるのが、「中学入学は
ゴールではない」ということ。当たり前のことのように
聞こえるけれど、落ち着いて考えていただきたい。

まだ遊びたい盛りの、小学生時代に何年も塾に通い、
希望の中学に入る。また、第一希望ではなかった
ところに入る。その時の解放感や虚脱感から、一気に
無気力になってしまう子どもがいる。

どこにせよ、私立中学に入ったら入ったで、たいていは、
多くの宿題が出され、毎日勉強に追われるようになる。
その時大事なのは、「本人のモチベーション、やる気」。

中学生以降になると、将来への夢、希望などを抱いて
いる生徒は、意欲的に何でも取り組んでいる。たとえ
苦手なことでも、その生徒なりに懸命に取り組んだり
して、がんばっている。

逆の言い方をすれば、「希望の見つからない生徒は、
意欲的に取り組まない」ということ。そういう子どもに
とっては、勉強は単なる苦痛の種、でしかない。

また、こんなこともある。PRや学校のイメージアップに
成功し、多くの生徒を集めている私立中学もある一方、
テンポのずれた対策をしたり、世間にアピール
しきれない学校もある。
そのような学校の中には、入学してみたら学級崩壊
状態だった、という話もある。

高い学費を払って、そのような学校に行かせても、
学習習慣や積極的な学習態度、やる気が起きるとは
想像しにくい。結果として、勉強しなくなり、「公立
中学に行っていた生徒と、さほど変わらない、または
それ以下の学力しかない」ケースになる場合もある。

また、このような学校生活が当たり前だと思っていると、
中学時代、また、高校進学後、授業態度が非常に
悪かったり、提出物をきちんと出さないなどの行動で
注意されることになる。

第一志望に受かっても、不本意な結果になっても、
そして、受験を経験しなくても、中学進学、というのは
本人の人生にとって、「大人への第一関門」といった
意味を持つ。その時期の過ごし方が有意義かどうかで、
その後の人生の過ごし方が違ってくる。

希望通りの結果であっても、そうでなくても、受験をした
お子さんには「がんばった」ことをほめていただきたい。
保護者の皆さんもお疲れのことと思う。

そして、気持ちを「ここはあくまでも通過点、この先の
過ごし方が大事」だと切り替えていただきたい。

どんな場合でも言えることだけれど、受験は「人生の
通過点」。そこがゴールになるような人生設計や
目標は、決して、あってはならない。

「いい学校に入れば人生は保障されている」、
「勉強ができれば良い」という時代は、もう、
終わっている。私は、web連載メールマガジン
などで、そのことを繰り返し説いてきた。

これからも、「今の時代にふさわしい教育のあり方」を
私なりに考え、発信して、少しでも皆さんのお役に
立てるような仕事がしたいと考えている。

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コメント

 私は関大一中に受験する可能性があったのですが、肺炎のため断念しました。 その頃は逆に成績の悪い子が関大、同志社の付属中学に行ってましたね。   高校、大学受験はかなり苦労しましたが、当時の我が家の経済状態では、もし私立中学に入っていたら途中でやめていたかも。   大学は育英会の奨学金をもらい、夜学に行ってましたので月々のお金は助かりました。 なんとか卒業後完済しました。大卒の資格は生かせませんでしたが。 まあこんな人生もあると最近は思ってます。    なかなか今の子は、これから、どう生きるか難しいでしょうね。       自分を見失わないことが重要でしょうね。偉そうなことは言えませんが。   エールだけは送ります。それではまた。失礼します。

投稿: 浜ちゃん | 2007/02/06 16:27

>浜ちゃん


こんばんは、コメントありがとう
ございました。


今は、家計が急変したり、保護者が
私立校の「常識」を知らず入学させ、
想定外にお金がかかったりして、
入学直後から「授業料が払えない」
生徒の話があちこちで出ています。


私立校の場合、学費が払えなければ
(義務教育段階でも)除籍になって
しまいます。


(「私立校を目指す場合、どういった
点に気をつければ良いか」という
ことに関しては、私にどなたか
お仕事のお話をいただければ、
具体的に書けます。あつかましいですが
宣伝させていただきます)m(__)m


その昔、ご苦労なさって、今の浜ちゃんが
おありなのですね。


>今の子は、これから、どう生きるか
>難しいでしょうね。自分を見失わない
>ことが重要でしょうね。


おっしゃる通りですね。私は、
「大人はそのような子どもたちの
サポーターでありたい、自分を見失わない
ような手伝いをしたい」と思っています。


貴重な、そして素敵なコメントを
どうもありがとうございました。

投稿: つきのみどり | 2007/02/06 20:36

いつもは音楽好きの飲んだくれ親父ですが、受験に関しては経験上、考えさせられるテーマです。

引越しの関係で、先に次女の幼稚園受験、そしてその後に長女の中学受験。妻とは考え方の違いなどから何度も衝突しましたが、納得し合って中学受験に臨みました。

何をもって良い学校なのか?なんていまだにわかりませんが、偏差値だけで決めることだけはしないで本人の意志を大切に、文化祭を見に行ったり情報を集め、結局第1志望校に入学することができ、そのまま大学にも進めることになり、ラッキーでした。

自分では大学受験に伴う浪人などもしましたが、それはそれで精神的な強さを培うには良い経験だったと思います。

確かに、良い学校に入れば人生は保障されている、勉強ができれば良いという時代は、もう、終わっています。

ここ10年ほど学生の就職の面接官を行っていますが、ある時点から大学名はわからないようにされてます。人間性と個性だけを見て絞っていきます。

でもHONDAの社長の言ったことに共感しました。

「学歴はいらない、でも学力はいる」

仕事をしていていつも思うのは人間関係も大事だけど、常に「勉強:(遊びも勉強だと思います)」しなければいけないのでしょうね。

そんな「今の時代にふさわしい教育のあり方」を追究すること、頑張ってください。

投稿: よおこJ45 | 2007/02/07 13:12

>よおこJ45さん


貴重なご意見、ありがとうございます。
お嬢さんたちに、お父様のコメントを
見せてあげたいですね。また、
お嬢さんの大学合格、おめでとうございます。


>本人の意志を大切に、文化祭を
>見に行ったり情報を集め


大事なポイントを踏み外さずに
選ばれて、さすがです。最近は
深く話し合わず参戦した結果、
「父・母・子ども」の第一志望が
ばらばら、全ての学校に願書を出した
ものの、あえなく玉砕、という
ケースもあるようです。これでは
子どもがかわいそうです。


>「学歴はいらない、でも学力はいる」
この言葉の意味は、きっと、
「自分で考えるという意味での『学力』」
ではないでしょうか。単なる暗記や、
詰め込みの勉強の成果だけでは、
社会に出ては通用しませんものね。


あたたかな励ましのお言葉まで
ちょうだいしまして、ありがとう
ございました。今後も(いばらの道
でしょうが)私なりに歩いていきたいと
思います。

投稿: つきのみどり | 2007/02/07 18:03

はじめまして。ココログユーザーです。
東京ってそうなんですか~。びっくりです。うちの近所(名古屋市郊外です)は受験組の話は聞こえてこない…。

私の教え子にはたまに私立中受験の子がいますが、こちらでは、私立受験は「代々その学校に行っている」「商売人や医者などの子弟(経済力があるということです)」「すごく勉強が出来る子」「主に関東からの転勤組」が受験するっていうイメージが強いです。まぁ、高校受験も公立優位の地域ですから…。

私自身は私立受験経験者ですが、子どもは、本人の性質や経済的なこと、地元の公立が荒れているわけではないことなどを考えて、受験はしないことにしました。
受験したけどダメだったっていう経験から、中1の最初の頃はやっぱり、キツイものがありましたね。気持ちの切り替えが早かったこと、結果がどうあれ、憧れの学校だったから、受験したことはよかったと受け止められたのがよかったのかも。
でも、思い込んでしまうタイプの子だとつらいかもしれませんね…。

投稿: おそなえ餅1号 | 2007/02/21 08:45

>おそなえ餅1号さん


はじめまして、コメントありがとう
ございました。東京を中心に、
私立中学ブームは現在大変過熱して
います。


「有名私立○○中学に受かった家庭の
保護者・子ども」がマスコミで取り上げられ、
もてはやされることに、私は危機感を
抱いています。


まだ人生の入り口で、しかも、
「中学に受かった」だけです。その後の
人生の保証もないのに、です。


私立中学に行っていても、態度が悪い、
提出物が出ていないなどの理由で
併設の高校に進学できないケースは
多々あります。


また、入ってみて授業レベルに失望し、
高校で外へ出る子どもが多発している
学校もあります。
そのような事情をわからず、「とにかく
私立に」ということで、親子とも
傷つき疲れてしまうことも珍しく
ありません。


おそなえ餅1号さんの場合は、
元気に立ち直って行かれたご様子なので
何よりです。でも、本当にこれは
子どもの性格や受験状況、親の意見などで
変わってくるので、状況を見極めた
対応が必要になりますね。

(読者の皆さまの、そのようなご相談も、
いつでも受け付けます)


またよろしければこのブログ、そして、
web連載「つきのみどりの教育カフェテリア」に
いつでもお立ち寄り下さいませ。

投稿: つきのみどり | 2007/02/21 23:58

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