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2007/08/04

井上陽水さんLive in NHKホール 「闇夜の国」で見る「夢」

Blog070804a


7/29、NHKホールで
行なわれた、
井上陽水さん
ライブに足を運んだ。

そもそもこのライブ、ある知人の方が、ご都合が
悪くなり、行けなくなったチケットを譲っていただいた
ため、行くことができた(改めてお礼申し上げたい)。

携帯に来るお天気メールが、まだ晴れている空の下、
雷雲の発生と雨の降り出し時刻を予告していた。
予定より早めに行動し、参院選の投票も済ませ、
渋谷駅へ向かった。

予告通りに雨が降り始める。渋谷駅へ着くと、雷と
土砂降りで辺りも見えない。少しやり過ごし、
スタジオパーク行きのバスに乗る。

ホールの入り口は、陽水さんと同世代の方々で溢れている。
日曜日だから、カップルも目立つ。私の世代はほとんど
見かけない。男女比は、半々といったところ。

行くことが決まり、調べて気がついた。この日は、
4月から続いていたツアーの最終日だったのだ。
(何かサプライズがあるのだろうか)
彼のライブを見るのはまったく初めての私、期待を
抱きつつ、開演のブザーを待った。

照明が大変暗い。青いライトが数箇所に置かれ、
ステージを照らしている。非常灯も(演出上)
消された中、陽水さんの弾き語りの「東へ西へ」で
ライブは幕を開けた。

暗闇の中、目を凝らしつつ、曲を聞く。「かんかん照り」、
「ゼンマイじかけのカブト虫」、バックにギターをひとり
連れているのみで、彼の声とギターの音が、闇を
突き抜け、こちらまでビンビン響く。

MCで、
「皆さん、選挙や雷雨で大変な中おいで下さいまして…」
とご挨拶される、陽水さん。弾き語りで皆さんから
見つめられるのが恥ずかしいのか、照れている
ご様子も、しきりに伝わる。

「カナリア」からピアノが加わる。ピアノも男性だと気づく。
(このバンド、きっと全員男性だわ)

「Just Fit」、「人生が二度あれば」。MCでは、こう話された。
「本当なら皆さんおひとりおひとりと膝を突き合わせて
近況などお聞きしなければならないのですが…」

(え、今日満員よ、3,000人と?!)
ライブで、こんなことを言われるアーティストは初めて。
(誠実な人なのかな)
そんな思いが脳裏をよぎる。

「招待状のないショー」、「ミスコンテスト」、「手引きの
ようなもの」と、闇の中から伸びやかな独特の声が
響き渡る。

「夕立」からバンド形式になる。続いて、こんなMC。
「私は日本語のタイトルの歌がほとんどなのですが…
たまに英語のものもありまして…これは、訳せば
『化粧の影』ですかね」

そう、次は「Make-up Shadow」。今、トヨタブレイド
CMでも使われているが、オリジナルとは違い、ハード
ロック調アレンジがとてもカッコイイ!!

「とまどうペリカン」は、イントロで拍手が起こる。
今度は一転して、ジャズ風のアレンジになる。私も、
一瞬にしてジャズライブハウスにいる錯覚を覚える。

(このバンド、とてつもなくレベルが高い!)
素晴らしいバックに支えられ、陽水さんものびのびと
ご演奏しているのが伝わる。たとえば、山下達郎さん
ツアーバンドも大変レベルが高いけれど、言うなれば
達郎さんのバックはスマートでレベルの高いサウンド、
陽水さんのバックは、変幻自在の骨太サウンド、という感じ。

「リバーサイドホテル」に続き、陽水さんのギターイントロの後、
一瞬、間があったように感じた、「恋の予感」。
(もしかして予定外?)

この曲は安全地帯に書いたものだと、もちろん知っていたし、
リアルタイムで聞いていた。
(え、この曲、こんなに素敵だった?)
でも、こんなにぐらぐらと胸を揺さぶられたのは初めて。
あの頃は幼くて、この曲の良さに気づかなかったのだろうか。

「新しいラプソディー」、「クレイジーラブ」、「感謝知らずの女」。
闇のようだったバックの照明も、青に変わる。でも、
相変わらず、全体的に暗いまま。

(「闇夜の国」で、観客は、彼の織り成す「夢の中」の世界を
味わっている)
うっとりと酔いしれたかと思うと、激しいアレンジで引き戻され
たり…言葉もなく、私は闇の中のステージを見つめる。

「嘘つきダイヤモンド」、「氷の世界」、「最後のニュース」。
「最後の…」を聞きながら、「♪あなたに Good Night」という
詞で、
(本編はこれで終わりかな、素晴らしいステージを
ありがとうございます、おやすみなさい)
と、胸でつぶやいた。

そして、アンコール。
セッティングをしながら、陽水さんは、こう話された。
「今日ご来場の皆様の、ご健康ご多幸と、末代までの
ご繁栄をお祈りします」

そして、バンドメンバーのご紹介。
「今日は最終日です。バンドとツアースタッフ、みんなに
感謝です」
客席も、感謝の思いを込め、大きな拍手で応える。

ちなみに、スーパーアーティスト、陽水さんを支える、
スーパーミュージシャンの皆さんは、次の方々だった。
g.今剛(こん・つよし)さん
g.今堀恒雄さん
dr.山木秀夫さん
b.美久月千晴(みくづき・ちはる)さん
p.&key.小島良喜さん
そう、全員男性!

アンコールの初めは、「Happy Birthday」。
「アジアの純真」、「夢の中へ」で盛り上がったあと、
「少年時代」で一転して静かに歌い上げる。ベースも、
ウッドベース風のご演奏で、
(どうしたらあんな音が出せるの?)
目を白黒させつつ、聞く私。

そして、「いっそセレナーデ」で、ライブはお開きになった。
その余韻の、夢の世界にいる気持ちが、明るくなった
客席にいる私を満たしていた。

Blog070804b


(素晴らしい歌と、
レベルの高い演奏、
彼のステージは、
こんなに素敵なひととき
だったのか)

ロビーに展示されたセットリストを
撮影し、帰宅する道々、私は、
思いがけない感動に出会えた幸福感で
いっぱいだった。
手書きで唯一書かれていた「恋の予感」、
やはりサプライズだったのだろうか。
思いがけない素敵な贈り物をいただいた。

帰宅して、思い出した。高田渡さんが亡くなった
時の話を。
1970年代初め、「氷の世界」でブレイクする前、
彼の前座だったという陽水さん。渡さんが
北海道で逝去され、ご遺体が羽田空港に到着
する日、陽水さんはツアーに旅立つため、やはり
羽田空港に行かれることになっていたのだそうだ。

陽水さんは、高田さんのご遺体の到着を見届け、
彼流のお別れの挨拶をされ、ツアーに行かれたという。

陽水さんは、音楽的センスも、人間的にも、
きっと、とても素晴らしい方なのだろう。
そういう幸せな満ち足りた思いが、私を包んでいた。

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コメント

こんにちは。はじめまして。
いつも拝見させていただいております。
初めてコメントさせていただきます。
私もこの日コンサートに行っていました☆
とてもよかったですよね!
陽水さんの声はほんと素敵です!!
ちなみに私は20代です。
親子でファンです。

投稿: ゆっきー | 2007/08/06 13:02

「夢の中へ」「心もよう」を耳にし、アルバム『氷の世界』はリアルタイムで手に入れた自分です。
みどりさんが陽水さんのバンドを表現なさっているお言葉、それがそのまま陽水さんの楽曲にも当てはまるような気がします。
この年代の方達の〜創り出すもの・今だからこそ演ろうとしていること〜には、今特に魅かれますね〜♪
個人的には、映像を引き立て、なおかつ邪魔にならない楽曲(ドラマ主題歌やCMソング)、そのアレンジの良さと共に好きです。
…陽水さんの「恋の予感」聴いたら、私泣いてしまうかも…!

投稿: 風知草 | 2007/08/06 13:10

>ゆっきーさん


初めてのコメント、ありがとう
ございます。この日、私と同じ
感動を味わっていらっしゃったの
ですね!


実は、「親子で来ている方も
いても不思議ではないけれど…」と
思いつつ、開演前並んでいました。
やはり、いらしたのですね!
家族で同じ感動を分かち合えること、
とても素敵ですね。


これからもよろしくお願いします。
(^0^)

投稿: つきのみどり | 2007/08/06 19:11

>風知草さん


いつもありがとうございます。
このライブ、本当に直前に
行くことが決まりました。
風知草さんの世代は、陽水さんの
「傘がない」や「氷の世界」の
もたらした衝撃を、リアルタイムで
味わっていらしたのですよね。
またお話を聞かせていただけたら、と
思います。


>映像を引き立て、なおかつ
>邪魔にならない楽曲
>(ドラマ主題歌やCMソング)、
>そのアレンジの良さと共に好きです。


「Make-up Shadow」は、1993年に
最初に発売(14年前になるんですね…)
されたそうですが、今聞いても、
色あせていないのが、彼の楽曲の
素晴らしさだと改めて気づきました。


「恋の予感」、またライブで私も
聞きたいです。

投稿: つきのみどり | 2007/08/06 19:24

こんにちは!はじめて書き込みます!
NHKホールでのコンサートレポート、じっくり
読ませていただきました。
実にうらやましい限りの曲の数々!
私も、まだ、生では「ゼンマイじかけのカブト虫」は聴いたことがないですね。
過日、7月8日には、山口県下関で開催された
井上陽水コンサートでは、アンドレ・カンドレとしてデビューした時の「カンドレ・マンドレ」を間近で聴くことができました。
実に感動いたしました。
それにしても、NHKホールでの感動もびんびんに伝わってくるレポートに感謝です。
心から陽水サウンドを愛する小生にとりましても、また一人、筋金入りの陽水大ファンが誕生したって感じで、心からうれしく思うものです。
これからも、ますます陽水サウンドに触れていただき、特に、生ライブに触れていかれますように願うものです!
私も、ますます陽水サウンドを奏でながら、日々精進していきたいと思っていますよ!

是非、最近発売されているDVDなどをご覧いただけると、陽水ワールドのすごさがよみがえることでしょう!民夫とのコラボも絶妙な妙技を醸し出していて、おすすめですよ!

では、また。「どうもありがと」
by 陽っ水

投稿: 陽っ水 | 2007/08/12 09:29

>陽っ水さん


はじめてのお出まし、心からお礼
申し上げます。

「カンドレ・マンドレ」を間近で
ご覧になれたのですね、さぞや
感動なさったことと思います。私も
ぜひ聞いてみたいと、以前から
思っている曲のひとつです。


陽水さんは、CDも良いのですが、
ライブだとあれほど素晴らしいとは
知りませんでした。本当にまた
見られたら良いと願っています。

残暑厳しき折、ご自愛下さいませ。

投稿: つきのみどり | 2007/08/12 12:25

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