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2010/04/03

歌舞伎座さよなら公演・過去と未来の見える場所

現在の歌舞伎座が今月の公演で、
歴史に幕を下ろす。

Blog100403


数ヶ月間、
なんとしても
行かねばと思い続け、
3月の公演
「御名残三月大歌舞伎」に出かけた。

いつもの2部公演ではなく、朝・昼・夜の3部制。
8月にこの体制の時はあるが、3・4月とも
この体制というのは、歌舞伎座に少しでも
来たい人にとってはありがたい。

チケットを買った時点では、演目も出演者も
不明、とにかく行けるので安堵。

私が見たのは第2部。「菅原伝授手習鑑・
筆法伝授(すがわらでんじゅてならいかがみ・
ひっぽうでんじゅ)」と、「弁天娘女男白浪
(べんてんむすめめおのしらなみ)」。

「菅原伝授…」そう、菅原道真を仁左衛門さんが
演じる。仁左衛門さんはすらりとした立ち姿が端正。

この役を演じられる時は、亡き先代(お父上)と
同じように、楽屋に道真の掛け軸を掛け、毎日
水と塩を供え、身も心も清められているのだという。
威厳あるお姿、「神として祀られる(天神)」と
いうオーラが出ていて、素晴らしい。

「弁天娘…」は振袖で武家の娘に変装した、
実は弁天小僧を演じるのが菊五郎さん。
菊五郎さんは女形も男装もあでやかで、
両方見られるのが嬉しい。そして、
菊五郎さんの舞台は、毎回アドリブが楽しい。

幸四郎さん、左團次さん、梅玉さん、そして
吉右衛門さんと、歌舞伎界の名実ともに
看板役者の勢ぞろいは、きっと、一生忘れない。

夢中になっているうち、あっという間に終演だった。

歌舞伎を初めて見たのは高校生の時の歌舞伎教室。
中高生が国立劇場で、解説付きで舞台を見る。
ちなみに、今は「社会人のための」教室が
行なわれる日もある様子。

その時、幸四郎さんが俊寛を熱演された。
(子どもしか見ていないのに、手抜きとか
子どもだましとか一切ない、普段の舞台の
ような迫力…)
と、驚いた。大人になった今思えば、プロとして
当然のことをされたのだろうが、この時の
お姿は、今も脳裏に焼きついている。

その後、大学、大学院時代と、結婚前までは
よく見に出かけた。今月公演中の
「三人吉三(さんにんきちさ)」、1度現在の
顔ぶれで見たことがある。それぞれ役が
どんぴしゃり、
(カッコイイ!)
と思ったのを忘れない。

瀬戸内寂聴さん作『源氏物語』の公演、
新之助(現・海老蔵)さんの光源氏の美しさ、
息を呑んだ。CMなどではうかがい知れない、
伝統の中で生き生きと輝く姿がそこにあった。
あの美しさと、客席からもれた、感嘆の
どよめきやため息も生涯忘れることはないだろう。

「婦人画報」2月号でも「さよなら歌舞伎座」と
いう特集があり、買って読んだ。芝翫さんの
「今はお若い方からご年配の方まで
幅広く来て下さる」というお話も、
客席を見回し、改めて納得。

帰りながら、母と話をする。母と歌舞伎に来たのは、
ほぼ10年ぶり。母も大変楽しみにしていた。

「お母さん、たとえば、染五郎さんを
見ると、若い頃のお父上そっくりと思うでしょう」
「本当にそう」
「同じことを思っている方が客席、全国に
たくさんいて、そして、私たちの世代も、
あと数十年したら、今のお母さんのように
感慨深く思うんでしょうね。それが歌舞伎の
脈々とした流れを作っているのよね」

役者さんたちの変遷、お子さんやお孫さんの
成長に、自分、そして家族の人生を重ね
合わせる。過去からの大きな流れの中に
自分も含めた人々がいて、その流れは
未来へとつながっている。

そして、それぞれが振り返れば、生きてきた
道は「歴史」となっている。

歌舞伎は、主に家業として受け継がれる中で、
悩んだり喜んだりしながら成長していく若い
役者と、受け止めるベテラン役者の姿があり、
それぞれを応援するファンがいるからこそ、
成立している。幼い世代も生き生きと
出ているのを見ると、歌舞伎は生き残ると
確信する。

私が次に公演を見る歌舞伎座は、今と
同じではない。建て変わるのは本当に
名残惜しいけれど、その中では、過去を
受け継ぎつつ、新しい時代に合う形の
歌舞伎がきっと行なわれているのだろう。

ありがとう、歌舞伎座。そして、次に
期待を込めて、歌舞伎座としばしのお別れ!

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