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2010/05/10

『高峰秀子の流儀』 「こだわらない」という信念

斉藤明美・著『高峰秀子の流儀』。


「婦人画報」で連載開始から気になっていた。
書店で気づき、
(単行本になったのね!)
即、手に取り、レジへ。

高峰さんは御年86歳。日本映画を代表する
大女優、大スター。木下恵介監督のもとで
松山善三氏と出会い、「婚約会見」を皇室以外で
初めて行ない、結婚。

結婚後の高峰さんは女優にとどまらず、
文筆家としてもご活躍。
55歳で女優引退、現在は文章も書かれず
読書三昧、ご夫妻で静かな毎日を暮らして
いらっしゃる…

これだけ書くと、なんと美しく満ちたりた女性の
姿が浮かび上がる。だが、美しいのはさておき、
満ち足りた日々にたどり着くまでに、「艱難辛苦」では
済まされない、絶望に満ちた日々が彼女を
幼児期からずっと苦しめてきたことが、この本には
記されている。

読み進めるうち、特にこの数年、(私事で恐縮だが)私も
筆舌に尽くしがたい苦労をしてきたと思うが、
(高峰さんの前では苦労とは言えない)
そう恥じ入ってしまった。

(高峰さんのご苦労に関しては、『わたしの渡世日記』に
詳しい。鋭く周囲を見つめていらっしゃる)

そのような中で、高峰さんは自分の審美眼と真実を
見抜く眼力を持ち、最高の伴侶を得られ、自暴自棄に
ならずに生きてこられた。

内容は、単なるサクセスストーリーや苦労話ではないが、
高峰さんの生き方と知恵、ご苦労に裏打ちされた価値観、
また、有名でありながら虚栄心がないことなどは、
困難な現代を生きる私たちにもヒントがある。

何せ、女優を引退なさり、「大きい邸宅はもう必要ない」と
お住まいを小さめに建て替えられた際、200以上の映画賞
トロフィーなどを全てきっぱり処分されているという!

「こだわらない」というのが高峰さんのポリシーのひとつで、
どういうことなのかはぜひ読んでいただきたいのだが、私も、
今後の人生で「何に重きを置くのか」改めて正しく選ばねば、と
感じた。

ちなみに著者の斉藤さんは、高峰さんを「母ちゃん」と
呼んでいらっしゃる。もともと雑誌記者をなさっていて
出会われたとのこと。

NHKラジオ深夜便「明日への言葉」(2010/5/6)に
斉藤さんがご出演され、その時にこのような話をなさっていた。
「自分の母の闘病、他界がきっかけで『東京の母ちゃんだね』と
高峰さんが言って下さった」
「今は松山・高峰ご夫妻宅の敷地にある離れに住んでいる」

「本の購入層は30-40代女性が中心、高峰さんは55歳で
女優を引退なさって31年、つまり女優時代を知らない方が
主に買っている」
(これは私にも当てはまる。私の場合、『わたしの渡世日記』も、
入試問題を解説するため、大学時代にアルバイトしていた塾で
出会ったのが最初)

「コピーライターのように的確で簡潔に物事の真実を言われる
高峰さん。今後、『高峰秀子語録』を出したい」

高峰さんの随筆は名文、今書かれないことが非常に
もったいない。
でも、このように身近で的確に伝えて下さる方がいることで、
私たちは高峰さんからまだ学ぶことが出来る。

先人の知恵と経験に勇気をいただき、また前進していこう!

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