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2011/07/05

塩入俊哉さんピアノソロLive Vol.1「夢のしずく」 幾重にも重なり、広がる、夢

6/11、渋谷JZ Bratで開かれた、
塩入俊哉さんのPiano Solo Live Vol.1 
~夢のしずく~に出かけた。


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塩入さんのソロライブ、一度行きたい、と思っていたが、
思いがけず念願が叶う。土曜の午後、渋谷の
セルリアンタワー東急ホテルに向かう。
ライブハウスは、このホテル2階にある。

着席し、メニューを見る。
(土曜の午後だし、1杯くらいいいわよね)
ウェィターさんを呼んだ私、
「少々お待ち下さい」
と言われ、待たされているうち、後から手を上げた
お近くの方のもとへ、ウェイターさんが来る。
すると。

「あちらの方をお先にお願いします」
(…お優しい!)
お礼を言って、キールの注文をした。

ピアノの周りには、彫刻と絵が飾られている。
何だか不思議な感じ。

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16:05、塩入さんがご登場。髪をセットされ、
リネンだろうか、爽やかな白い半袖シャツに
オレンジの薄いスカーフを巻き、デニムの裾を
ロールアップして、軽やかにご登場。

「桜の時に」を演奏され、最初のMC。
「こんにちは…こんにちはというあいさつも、
ライブとしては不思議な感じですが…
僕の家へ来たかのようにライブを楽しんで
下さったら嬉しいです」

「この彫刻と絵は、僕の恩師、大塩先生
ご夫妻の作品です」


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「黄昏に」、迫り来る夕焼け、こみ上げる思いが伝わる。
「a tout prix」、「何としてでも」という意味。
雷鳴と雨のSEに重なる、雨音のようなピアノの演奏。
(この雨のような音は、稲垣潤一さんの「ドラマティック・
レイン」でも好きなのよね)
何としても前へ進む、という、静かさの中にも強い思いを
感じる。ここで、再びMC。

「彫刻や絵が視界に入りながら演奏すると、音に
ふくよかな響きが加わりますよね…」
「僕は、写真や絵を見て作る曲もあります」

「ビオスの丘で」。昭和20年3月、沖縄の一本の木の
もとでの、物語。絨毯爆撃の音が悲しい。そして、
その後の穏やかさが胸にしみる。
(平和というものは、いつどんな時でも守らねばならない)

「火曜日に、みやぎびっきの会のチャリティライブで
サポートをしてきまして…」
その際の話をいろいろして下さる。(このライブの話は、
2011/6/22記事に詳しく書いた)

ここでゲスト、齋藤順さん(Cb)。コントラバスを
弦で弾かれる。
「Last Call 記憶を消して」、「水のない河」。

塩入さん、
「僕は夏が好きなんです…」
「君のいた夏」。ここまで斉藤さんとご一緒に。

「斉藤さんとは松原健之さんのステージで、また明日
一緒です」
翌日、金沢での公演が組まれていた。
「永遠という解答(こたえ)」で、第1部、終了。

約20分の休憩後、第2部。先程のストールは外され、
今度は、黒いベストで、ぐっとシックに。
「Moon River」
(素敵なアレンジ!)

塩入さんの曲は、オリジナルはもちろん、名作の
アレンジの質が素晴らしい。

「後半はリクエストを中心にお届けします。1曲目は、
ヘンリー・マンシーニの作品でした。次の曲は、
中学生の時、『全日本学生音楽コンクール』の課題曲となり、
困ったな、イメージがわかない、と思いながら、
修学旅行に行きまして…今のような機械がないですから、
ラジカセを肩からさげ、ヘッドフォンを当てて
聞きながらでした」

「その時、平泉・毛越寺(もうつうじ)で浄土庭園を
見ていた時、これだ、とイメージが重なりました」
それは、ラヴェル「ソナチネ第2楽章」。このライブ後、
ユネスコ世界遺産にも登録された、毛越寺。私も
かつて訪れたことがある。無に近い場、けれども、
そこが放つ重みと輝きは計り知れない(毛越寺の
公式サイトで、パノラマ映像を見ることができるので、
ご興味ある方は、ぜひ)。

続いて、やはりH・マンシーニの名作、「ひまわり」。
「僕は、曲を作ると、この『ひまわり』と比べ、世界の
一流の作品と比べても見劣りしないか、いつも
考えています」
物を生み出す方の、重みあるお言葉。

ここで、演奏が流れる。塩入さんが作られた曲の数々。
米良美一さん「Witch Me」、川井郁子さんとの共演で、
JR東海のCMソング(そうだ、京都行こう)とテレ朝系
ニュース番組のテーマ曲。そして、松原健之さんの
「歌の旅びと」、「Elegy こころの道」(編曲のご担当)。
この2曲は五木寛之さんの作詞。

「『アメリ』のテーマ」
「これは、高橋大輔選手の『メダリスト・オン・アイス』
でのエキシビジョン曲です」
そう、本当に多彩なお仕事ぶり、聞いていてワクワクする。
多くの分野のトップの方とお仕事をなさる塩入さん、
そこから受ける印象が、恐らく、また、次のお仕事に
生かされているのだろう。

「僕は、ピアノの先生に『悲しみをいやすピアニストに
なりなさい』と言われて教えを受けました…今年初め、
その先生が亡くなられました。先生への追悼の思いを
込めて、弾きます」
ショパン「別れの曲」。大胆なアレンジが素晴らしい。

続いて、ベートーヴェン「月光」。これはオリジナルに近く。
そして、オリジナルの「追憶のオペラ」。

塩入さんのこの日演奏なさったオリジナルの多くは、
「Tokyo 3.a.m.」というアルバムに収められている
2011/4/17記事)。実はこの日、席に着くと、その
ジャケットを印刷したチロルチョコがテーブルに置かれていた、
という心憎いサービスもあった。


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「皆さん、大切にしたい瞬間、笑顔になれる時を思い出して
生きてほしいです…3.11後、痛切にそう感じます」
「あの頃のままで」で、本編終了。

ほどなくしてのアンコール。まず、塩入さんへのサプライズ、
少し早いお誕生日と、ソロライブのお祝いということで、
ファン有志からケーキと色紙、そして、お花のプレゼント。
お花は、客席の、かわいらしいお嬢さんから。
「ありがとうございます」
笑顔の塩入さん。そして、今日の彫刻と絵の作者、
大塩英生さん桃丘さんご夫妻のご紹介。それぞれ、
ご自分の作品を説明して下さる。

まず、ご夫人の桃丘さんから、絵のお話。
「真っ白いものを描くことになり、なかなかイメージが
湧きませんでしたが、伊勢神宮に行ったりして
描ける気がしてきました…描き出したものは自分
なのですが、ユングの言う、集合的無意識・元型の
ようにも思われます」

浄土庭園と伊勢神宮。この日、思いがけず、日本が誇る
ふたつの存在の持つものの素晴らしさが、他の芸術
作品を通し、私たちにその存在の意味を語りかけてくれた。

そして、英生さん。
「この子たち(ご自身の作品)は風で揺れます…今日も、
動いたり止まったりしていました」
この彫刻の動きが、塩入さんのステージに素敵に
「共演」していた。詳しいお写真は、塩入さんの
公式サイトblogでご覧いただける。

大塩ご夫妻が拍手に送られ、ご退場。
「今日はありがとうございました…周りの人たちの
自分への期待、また、見てきたものが、夢、だと
僕は思っています」
「夢のしずく」で、18:30、ライブはお開きになった。

ライブ中での塩入さんのいくつものお言葉が、心に残った。
特に、最後のお言葉。
夢は、自分のものだけでなく、他人のものとも重なり合い、
豊かになる。そして、その、豊かになった夢は、大きく、
また、幾重にも広がり、次の夢へとつながっていく。

だから、子どもは子どもなりに、そして、大人も、
その年齢やその人の立場なりに、夢を大事にしたい。

数々の一流の方とお仕事をご一緒になさる、
塩入さんだからこそのお言葉。演奏だけでなく、
さまざまな面で豊かな気持ちと励ましをいただいた、
貴重な時間。このひと時に心から感謝して、私は
ライブハウスをあとにした。

【追記】
このブログに、作品のお写真の掲載許可を下さいました、
大塩英生先生・桃丘先生に衷心より感謝申し上げます。
そして、その仲立ちをして下さいました、塩入さんにも、
心からお礼申し上げます。

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コメント

こんばんは。
読ませて戴き、塩入さんのお話が
声と一緒に聴こえてくるようです。
添って音色も流れ温かなひと時を
回想しています。

夢を持ち抱く事、描くことは実現へ
向かいたい原動力にもなり得ます。
簡単そうながら、とても難しい。だから
描けること自体が幸せなのかも
しれません。

素敵なレポをありがとうございました。
takako.

投稿: takako. | 2011/07/06 21:53

>takako.様

ご来訪、また、blogでのご紹介、
どうもありがとうございます。

>(夢を)描けること自体が幸せなのかも
>しれません。

おっしゃる通りで、夢を持てることは
幸せですよね。たとえ小さくても、
身の回りのことで夢を持ち、
叶えていける人生でありたいです。
今回のライブで改めてそう感じました。

思いがけず様々の出会い、人生の
ヒントと感動をくれた、この日のライブに
心から感謝しております。


投稿: つきのみどり | 2011/07/06 22:04

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