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2011/09/27

川上弘美さん『神様2011』それでも続いていく、生きていく

川上弘美さんの最新刊『神様2011』。

もともと『神様』は1994年、パスカル短篇文学新人賞を
受賞し、川上さんが本格的に執筆活動に入るきっかけ
となった作品。現在は、高校生の国語(現代文)の
教科書にも掲載されている。

熊が人間のように話し、人間と交流する。日本には
古来からアニミズムという、万物信仰の考えがある。
その考えが根底に流れる作品だからだろうか、
温かな作品。

生徒たちも、
「いい話だと思います」
「人間と異類が共存する話で、自分たちにも
ヒントになると思います」
などと、おおむね、好意的に受け止めてくれる。

その『神様』を、川上さんは、3.11後に書き換えられた。
雑誌『群像』2011年6月号が初出。

もともとの作品と、新しい『神様2011』が一冊の本に
収められているから、どこがどう変わったのか、すぐ分かる。
悲しいが、受け止めねばならない現実が、目の前に
突きつけられる。福島の皆さんの日常が、垣間見える
ような気もして、胸が痛い。

生徒たちに少し読んで聞かせたら、衝撃で言葉も
見つからない様子だった。
「もっと聞きたい」
と言う生徒も多かった。

あとがきでは、中学・高校での理科、生物教員の
ご経歴をお持ちの川上さんご自身が、ウランへの
わかりやすい解説や、ご自分の思いなどを書かれている。
読み、私も大いに共感することが多かった。

3.11後、変わりすぎた日常の中で、何をして、何を考えて
生きるべきなのか、自問自答の日々が続く。しかも、
生徒に向かい合い、真実を伝え続けねばならない立場でも
ある。そんな毎日が続く中、途方に暮れ、逃げ出したくなる
こともある。

しかし、そんな中でも、それまでの人生で艱難辛苦、
荒波を乗り越えてきたことを思えば、さまざまなことを
簡単にあきらめたくはない。被災地への思いを持ちつつ、
あきらめない道を探し、志を同じくする方々と手を取り合いたい。

そして、日本を良くする方向へ進み、生きて
いきたい。その思いだけは常に忘れずにいたい。

この本は、ぜひ親子で読み、ご一緒に考えたり、話し合ったり
していただきたい。多くの方が今後の日本の進むべき道を
考えることは、重大なことを他人任せにして、大事故を
招いた二の舞を防ぎ、より良い日本の未来を作る、
ひとつのきっかけになると私は信じている。

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