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2011/09/05

稲垣潤一さん&山中千尋さんトリオLive ジャンルを越えた趣と深み

8/26、丸の内のCOTTON CLUBで行なわれた、
”An Evening of Beautiful Meeting”と題された、
稲垣潤一さん山中千尋さんのライブに出かけた。

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山中さんは札幌でのステージ(2011/9/1記事)から
戻られて、この日が最初のライブ。2ステージのうち、私は
1stステージを予約したので、「山中さんのライブを2回
続けて拝見」できた。

山中さんは札幌から戻られてすぐ、このライブの
リハーサルをされているようだった。そして、28日
昼間には、母校で「教員免許更新講習者」のための
レッスンもしていたご様子だった。音楽の教員免許は
持っていないので、出られない私だが、もぐりこんで
聞きたいと思った(無理なので、もちろん、思った
だけだけれど)。

そんなパワフルな山中さんに励まされながら、私も
帰京して仕事をしていた。この日、午後から都内は
ゲリラ雷雨に見舞われた。川の増水などで
交通機関も遅れ、私も予定の時刻より大幅に
過ぎて到着。

入り口に着き、自由席だったので、好きな席を
選んで良いと言われる。予定より遅れたけれど、
この席が私にとっては見やすく、良かった。
男女比は3:7くらい、でも、いつもの稲垣さん
ライブに比べれば、男性がぐっと多い。


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カクテルを頼み、ディナー開始。


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メインの鴨が来る前にライブが開演したので、
写真が撮れず、残念。
(この鴨、赤ワインにぴったり!)
もともと赤ワインの好きな私、グラスワインを頼んで、
おいしさと嬉しさ倍増。スタッフさんの手際も良く、
これも心地よく嬉しい。


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ライブは19:02、山中さんトリオのご入場で始まる。
この日は次の皆さんだった。

山中千尋さん(pf)
東保光さん(b)
岡田”Keita”佳大さん(ds)

山中さんはパフスリーブの膝丈ワンピース、秋を
意識されている感じの色合い。黒い、太めの
ハイヒール靴は前回と同じ、きっと、「ご自分らしく
いられる」のだろう。大人の女性には皆、自分らしく
いられるヒールの高さがある。

「Sing, Sing, Sing~Saturday in the Park」、
聞いたばかりなので思わず、ほくそ笑む。

稲垣潤一さんを迎え入れられ、「夏のクラクション」。
稲垣さんは黒いスーツに白い靴、この白が、
夏の名残。

さっきの演奏とは一転して、3人は「伴奏」モード。
イントロはオリジナルを残しつつ、斬新で素敵。
2番以降は強い演奏が光る。

「こんばんは…スタンダードを日本語で歌いたいと
言ってきましたので、言ったからには、実行しないと
いけません」
そう、稲垣さんはこの数ヶ月来、そう繰り返されていて、
ファンは心待ちにしていた。

「楽園伝説」。私も含め、はっとする客席の顔がちらほら。
初期の名曲。ピアノがさざ波のよう。山中さんの
楽しそうなご表情が良い。
(…嬉しい!)

ドラムのカウントから入る、「ロング・バージョン」。
「♪そうさ 窓の下は…」の後、3人の演奏は本領発揮!

続いて、「黄昏のビギン」。ベースは弓で弾かれる。
4月に発売されたばかりの、9年ぶりのオリジナル
フルアルバム「たったひとりの君へ…」の特別盤にも
収められているカバー(アルバムの話題は
2011/04/22記事参照)。

稲垣さんバージョン、生では初めて聞く。難しいが
そう聞こえない中村八大さんのメロディー。このような
雰囲気に合う素敵なアレンジに聞きほれる。この曲は
水原弘さんに書かれ、ちあきなおみさんのカバーで
再び脚光を浴びたが、今はお蔵入り同然だったので、私は
ひそかに嬉しい。

「ありがとうございます…この3人とは葉山以来ですね」
稲垣さんのお言葉通り、8月初め、葉山でのジャズ
イベントライブでご一緒されている。だんだん息も
合ってきて、良い感じのライブになりつつあるのだろう。

山中さんも札幌とはトリオを組む相手が違うので、また
演奏も微妙に違い、気心知れた相手との演奏という感じ。

そして、待望のスタンダード。「オルフェの歌」、
1959年の映画「黒いオルフェ」から。ペギー葉山さんも
かつて歌われている。間奏では、稲垣さん、椅子に座られ、
長いアレンジを、じっくり共に聞かれる。
もう1曲は、ナット・キング・コールの「The Lonely One」だった。

「ありがとうございます…オルフェの歌は、子どもの頃、父が
買ったサンヨーの家具調ステレオについてきたレコードに
収められていました…ナット・キング・コールは、父がファンでした」
そう、遠い思い出の懐かしい曲を、歌って下さった。

「稲垣さんの声って素敵で、聞いていると弾き忘れそうです…」
山中さん、本音をポロリ。
「そういえば、山中さんってここで演奏されますよね…」
稲垣さんがPRタイムを作って下さったのに対し、
「ええ、明日とあさって…」
(?!)

「…そうじゃなくて、ソロがありますよね…」
思わず苦笑の稲垣さん。
「あ、宣伝させて下さるんですね、ありがとうございます…
9/23と24にあります。3/13にライブするはずでしたが、
大震災で飛んでしまって」

山中さんのお茶目な天然トークに、客席も微笑む。
「そういえば、山中さんは福島県の郡山市生まれ
だそうですね」
仙台市ご出身の稲垣さん同様、今回の大震災で
胸を痛めていらっしゃるに違いない。

「山中さんはアルバムも出たばかりで…バーナード・
パーディも参加しているんですよね」
ドラマー、稲垣さんらしいお言葉。

「稲垣さんこそ、あんなに多くの女の方とデュエット
されていて、うらやましいというか…すごいです」

それはCD「男と女」シリーズのこと。それぞれ、
敬意をこめてお互いのお仕事を紹介なさる。おふたりの
楽しいお話は、なかなか止まりそうになく、いつまでも
聞いていたい気もする。

だがしかし、ここはライブ会場。曲に戻る。

「ドラマティック・レイン」。終盤で、近くの席の女性が
カメラで撮影しようとしている。ひやりとしたが、
隣の男性が制して、撮影されずに終わり、安心。

稲垣さん、
「選曲にあたっては、ピアノトリオということを強く
意識しました…いい感じで嬉しいです」
とのお話。お辞儀も客席の三方向にご丁寧になさる。

「揺れる心に~フェード・アウト」。「揺れる心に…」は、
イントロの激しいドラムソロがカッコイイ!この曲で本編終了。

アンコールでは、まず、稲垣さんから、メンバー紹介が
ある。そして、「とまどい小夜曲(セレナーデ)」で、
ライブは20:22にお開きとなった。

ライブの余韻の中、稲垣さんのいつも変わらぬ
折り目正しさから、札幌で聞いてきた、知人の
「中ちゃん」のお話を思い出していた。中ちゃんは、
かつてすすきのでスナックを開かれていた。
今は別の場所で小さな居酒屋を開かれている。

「稲垣さんはすすきの時代のお店に2回来てくれている。
他の客同士が喧嘩を始めた時、稲垣さんが仲裁に
入られたので驚いた。紳士な方なのだと強く感じた」、
というお話だった。
「デビュー前にライブハウスのバンドで演奏されていたから、
そういう場面には慣れていらしたのでは」
私はそういう趣旨の答えをした。

そして、現実に戻り、隣の席の女性と話す。稲垣さん
世代でいらっしゃるだろうか。
「ライブ、良かったですね…」
「ええ、とても…ファンになられて長いんですか」
「中学の頃に『Realistic』を聞いて以来です」
「私は『クリスマスキャロルの頃には』からで、一時離れて
いたんですけれど、また最近聞き始めました…ところで、
最後の曲、おわかりですか」

「『とまどい小夜曲』で、高橋真梨子さんのカバーです」
「その曲の入ったCD、今も買えるでしょうか」
「…どうでしょう、今とご所属のレーベルが違うので、
探してみないとなんとも…」

(この曲、25周年の「Unchained Melody」に収録されている。
Amazonで出品している会社がある様子。山中さんファンの、
男性客を意識した選曲だったのだろうか)

「そうですか…時々こうしてライブに来るのが楽しいです」
「本当にそうですよね、今日はありがとうございました」
「ありがとうございました」
お互いに微笑み、席を立った。

稲垣さんと山中さん、それぞれ、普段のライブとは違う
アレンジや雰囲気の中で行なわれた、このひととき。
その趣や深みは、この時間でしか味わえない、
大きな楽しみ。

もちろん、それは、おふたりのそれぞれの本来の
立ち位置での積み重ねがあるからこそ。その
積み重ねが、違う場面になった時、新しい趣を
引き出してくれるのだろう。

ライブ後日。「Unchained Melody」を取り出して聞く。
オリジナルとカバーを取り混ぜ、筒美京平さんの
作品を歌ったもの。

(こういう作品からも、カバーデュエットという
新しい試みにもつながっていったのかもしれない)

稲垣さんと山中さんという、ジャンルを越えた
組み合わせは続いて欲しい。
(またライブをお願いします。おふたりだけでなく、
コラボに関わって下さっている皆さん、
ありがとうございます!)

次に私が買うCDは、山中さんの最新作。
仕事に早く一区切りをつけて、いつもの
CDショップに行かなくちゃ!

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コメント

みどりさん、こんにちは。

このライブ、本当に素敵でしたね。
時間を止めてしまいたい!と思える
極上のライブでした。普段の大きな
ホールとは違う大人の雰囲気で、
選曲も素晴らしかったです。

私はみどりさんと違うステージを観たので、
この記事でまた新たなステージを味わった
気分になりました。ありがとうございます。

それから・・・札幌での旅先ライブも
素敵な思い出になりましたね。
いいですねぇ~。

夏も終わりですね。みどりさんもお疲れなど
出ませんように。それではまた。

投稿: 玲 | 2011/09/06 10:52

>玲様

いつもありがとうございます。

雰囲気はもちろんですが、ステージごとに
少しづつ異なった選曲だったようで、これも
また、こういう場での楽しみの一つですよね。

私はこの3日間は、初日参加だけで
後は用事などもあったのですが、
まずは念願のおふたりのコラボを
拝見できて嬉しかったです。

山中さんのライブが続けてとなったのも、
思いがけない楽しみとなりました。

また今後、おふたりのライブを
拝見できる日が来ることを
願っております。

玲さんも秋へ向かう季節の中、
どうかお体ご自愛下さいね。

投稿: つきのみどり | 2011/09/06 19:44

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