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2012/08/10

ミュージカル「ラ・マンチャの男」 「見果てぬ夢」の火がともる限り

帝国劇場で今月、公演中の「ラ・マンチャの男」を見た。

日本初演は1969年(昭和44)、主演は松本幸四郎
(当時は市川染五郎)さん。翌年にはNY・ブロード
ウェイにて英語で主演、大好評を博す。以来、
幸四郎さんは主役を誰にも譲り渡すことなく
演じ続けられ、今回の帝国劇場での8/19の公演で
1200回上演を達成予定。しかもその日は古希(!!)の
お誕生日でもある。

今回は、お嬢さんがた(松本紀保さん、松たか子さん)との
ご共演もある。思いがけず、今回見られることになった。
真夏の暑さの中、日比谷へと向かう。

内容は、セルバンテスの小説「ドン・キホーテ」を
下敷きにしている。ミュージカルでは、実際に
セルバンテスが冤罪で牢獄に入れられていた際に、
「ドン・キホーテ」の構想を練った話が取り入れられている。

主役・セルバンテスは牢獄で郷士キハーナとなって
演劇を書き、更にその劇の中で騎士ドン・キホーテとなる、
三重構造。複雑な話のはずなのに、それを感じさせないのは
脚本の素晴らしさ。

休憩がなく、2時間20分通しの公演なのだが、笑い、
台詞にはっとしつつ、夢中で見ているうちにエンディングを
迎えている、という感じだった。幸四郎さんはもちろん、
ご共演の皆さんの細部にわたる演技の素晴らしさに
胸を打たれた。

特に心に残ったのは、上條恒彦さん(牢名主/宿屋の主人)の
ベテランの円熟味と、駒田一さん(従僕/サンチョ)の愛と敬意ある
演技。上條さんは「屋根の上のバイオリン弾き」で、
中学生の私に鮮烈な印象を残した方なので、
舞台で拝見するとどこか懐かしく、また、嬉しい。

このミュージカルといえば、「見果てぬ夢」(原題
”The Impossible Dream”)が有名。実際に公演の中で
聞くと、台詞とも相まって、胸を打たれた。

「見果てぬ夢」を胸に秘めていると、時には挫折しそうにも
なるし、途方のなさを他人に笑われることもある。でも、
そのともしびが胸にある限り、それを守り、絶やさぬように
しつつ、進み続けていかねばならない。

このミュージカルにこめられたメッセージを受け取り、私は
涙が止まらなかった。そして、見果てぬ夢、の火を胸に
燃やし続けていこう、と改めて誓った。

それにしても、歌舞伎からミュージカルまで、ご活躍の
幅広い幸四郎さんと同じ時代に生まれ、演劇を見られる
ことは何という幸せだろうか。そして、子ども世代の
ひとりとして、お子さん方にそのDNAがどう
受け継がれていくかを見るという楽しみもある。

プログラムには、1200回ということもあり、多くの
著名人からのメッセージが寄せられている。他に、
幸四郎さんご自身による、この「ラ・マンチャの男」の
ブロードウェイ公演の追想記などもあり、大変
読み応えある内容になっている。
公演にいらしたら、ぜひお買い求めを!

最後に、これまで現役であらゆる舞台に立ち続けて
いらっしゃり、お子さん方とさまざまに共演なさる
幸四郎さんに、心からのお祝いと、敬意を表したい。

そして、私自身も、「見果てぬ夢」を叶えられるように
生きていく、とお伝えしたい。

【追伸】
日程が指定されているが、学生さんはB席を半額で
見られるチャンスがあるとのこと。詳細はこちらで。


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