« 落合恵子さん「この道」 窓は常に開かれている 2013年10月の思い | トップページ | 稲垣潤一さんCD「男と女4」 スタンダードを斬新に »

2013/10/06

映画「ベニシアさんの四季の庭」 嵐の中でも、心に花を

ただ今、シネスイッチ銀座などで公開中の映画、
「ベニシアさんの四季の庭」

NHK-BSで(現在はEテレで)2009年から放送中の、
「猫のしっぽカエルの手 京都大原ベニシアの手づくり暮らし」
おなじみの、ベニシア・スタンリー・スミスさん。

偶然この番組を見た私は、すっかりファンになり、
楽しみに見ている。と言っても、まだ数ヶ月の新参者。

もともとイギリスの貴族階級のご出身のベニシアさん。
1971年に来日され、今は、京都・大原の築100年以上の
古民家で、夫の梶山正さん(山岳写真家)と息子さんの
3人暮らし。庭はハーブや美しい花々で埋め尽くされている。

私が心を奪われたのは、
「日本の古き良きものと、イギリスの伝統が
うまくミックスされた生活」
を、されているところ。古い良いものを残し、多くの人に
伝えたい、ということは、私は「日本の古典文学」にベースが
あるけれども、ベニシアさんに強く共感した。ハーブも好きだし、
自然に、体に負担の少ない、香料や添加物を使ったものを
なるべく選ばない生活をしている。

Blog131006

帰宅し、足を洗い、この竹皮ぞうりを履くのが
お気に入り(ちなみにこれは、高知の竹虎の品物)。

こんな私だから、毎週、番組を楽しみに見るように
なったのは、言うまでもない。

でも、ベニシアさんのことは詳しく存じ上げず、
(お花に囲まれて暮らす、幸せなマダム…)
だろうと、勝手に思い込んでいた。

そんな折、NHKラジオ深夜便で毎月第1日曜日に
放送される、青柳秀侑さんの「ないとガイド・
待ち合わせは映画館で」で、ベニシアさんの映画が
公開されると知る。そこで青柳さんが語られたことは、
衝撃過ぎて、にわかには信じがたいことばかりだった。

ベニシアさんは貴族階級の決まりごとに疑問を持ち、
インドを経て、「心の声に従って」来日。その後、
英会話学校を開き、日本人と結婚、1男3女に恵まれる。

しかし、この幸せは永遠には続かず、13年後に離婚。
シングルマザーとして懸命に働く中で、梶山氏と出会い、
1男を出産。

ところが、成人して子どもを生んだ娘さんが、統合失調症を
発病。そして、梶山氏の浮気発覚、その後の梶山氏の
生死の境をさまよう大事故…

これらのことを乗り越えて、今のベニシアさんがある、というのが
映画で紹介されている、という話だった。

(あの笑顔と、満ち足りたように見える生活の裏に、こんなことが…
絶対、見なければならない)
深夜、強く決意して、眠りについた。

そして、映画公開直前。休日ふらりと寄った、行きつけの花屋で、
「ベニシアと仲間たち展」のチケットを思いがけず手に入れる。
「チケットありがとうございます…映画も
上映されるんですよ」
思わずスタッフさんに話しかけていた。
「そうなんですか、ありがとうございます」

数日後、仕事の合間を縫い、銀座松屋まで出かけた。
ベニシアさんの庭や家の様子を再現した内容で、
また、ベニシアさんの言葉があちこちに掲げられていた。

心を強く揺さぶったのは、
「困難はあなたを輝かせる」
(The difficulties make you jewel.)
という趣旨の言葉。

(そうか、困難は自分を宝石にしてくれる…)
ますます、映画への思いが募った。

この場で、ベニシアさんが今のようにメディアに
出られるようになった、きっかけがわかった。
2002年に、NHK「私のアイデアガーデニングコンテスト2002」
ガーデン部門賞を受賞されている。この時の賞状が、
会場に展示されていた。

こうして、心の準備万端で、映画を見た。
銀座シネスイッチは山野楽器本店のすぐ裏にあり、
金曜日がレディースデー。だから、ここで映画を見るなら、
金曜日と決めている。
やはり仕事後駆け込み、最終上映に間に合う。

作品の監督は、テレビ番組のチーフディレクター・
菅原和彦氏(インタビュー記事がこちらで見られる)。

だから、基本的に番組の延長という感じで、
見覚えのあるシーンもいくつか出てきた。もちろん、
手作りのハーブ入りの食べ物や家具を磨くワックスなども、
いつものように登場する。イギリスの、祖父母のお屋敷の
映像もある。
そこに、知人・友人や家族のインタビューが織り込まれていく。

梶山氏は、ベニシアさんが(お子さんたちは成長して
手元にいなくとも)シングルマザーとご承知の上で
結婚されたのだろう。

でも、親子水入らずの生活の中に、心の病気になった
娘さんが入り込んでくる。母親がそばにいなければ
ならない、見た目では病気と分からなくても、心は不安定…

ベニシアさんから9歳年下の梶山氏は、頭では理解できても、
心がついていかず、こういう小さな日常のほころびが、
浮気につながったのではないか、と思いつつ見ていた。

でも、梶山氏は、ベニシアさんと息子さんのもとに
戻ることを選ばれた。
(良かった…)
今のおふたりの笑顔を見て、心底そう思わずには
いられなかった。

ベニシアさんは幼い頃、田舎の家で花に囲まれて
暮らすことを夢見ていらしたという。まさかその時は、
その夢が日本で実現するとは思っておいでで
なかっただろうけれど、夢を実現させていて素晴らしい。

いつも前向きに、困難も受け止めて「乗り越えられる」と
思って生きるベニシアさんにとって、きっと、花やハーブは、
荒れ狂う嵐の中での心のより所だったのだろう。
「嵐の中でも踊り続けていればハッピーになれる」と、
インタビューなどで言われるベニシアさんが、踊るそばに、
美しい花が寄り添って励まし続けていた…
そんな絵が浮かんだ。

ベニシアさんのように、どんなものごとに出会っても、
(このハードルは乗り越えられる)
(大丈夫、遠くの光を目指して毅然と歩こう)
そう思う私にとって、映画は、素直に、共感できた。

(私も自然に敬意を払い、ご縁を大事にし、そして、私らしく、
どんな時も笑顔で、古き良きものを未来に伝えていきます)
ベニシアさんに、そう誓って、映画館を出た。

-♪--♪--♪--♪--♪--♪--♪--♪--♪-
【人気ブログランキング】参加しました。
あつかましいのですが、
よろしければクリックお願いします。


|

« 落合恵子さん「この道」 窓は常に開かれている 2013年10月の思い | トップページ | 稲垣潤一さんCD「男と女4」 スタンダードを斬新に »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/73691/58333931

この記事へのトラックバック一覧です: 映画「ベニシアさんの四季の庭」 嵐の中でも、心に花を:

« 落合恵子さん「この道」 窓は常に開かれている 2013年10月の思い | トップページ | 稲垣潤一さんCD「男と女4」 スタンダードを斬新に »