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2014/05/26

笹本恒子さん写真展 細く長く、自分らしく

日本新聞博物館で開かれている、
笹本恒子さんの写真展を訪れた。

笹本さんは日本初の女性報道写真家、
今年100歳を迎えられた。1940(昭和15年)から
本格的に活動を始められ、途中あまり表舞台に
出られない時期もあったが、現在に至るまで
撮影を続けられている。

開始直後から気になっていたがなかなか行けず、
ようやく都合がついた。みなとみらい線
日本大通り駅に直結しているので、雨でも
濡れずに行けるのが便利。展示会場は2階、
年配の方が多く訪れていた。

・明治生まれの女性たち
・あの時代、あの人
・笹本恒子が見た時代
・いつまでも現役…笹本恒子の今

展示は、この4部に分けられている。

第1章、明治生まれの女性たち。女性の
社会参加以前に、権利もさまざまに
制限される、困難な中で道を切り開いて
いらした方々。お名前は存じ上げていても、
お顔は拝見したことがない方もいて、
そういう意味でとても新鮮に感じられた。

第2章、あの時代、あの人。皇族の方々、
文化人、芸能人などなど幅広いジャンルの
方のお写真。谷桃子さんのバレエレッスン風景、
1959(昭和34)年。子どもたちが今のように
レッスンウェアを着ておらず、普段着のような
子も多い。まだ少なかったのか、あっても高額で、
なかなか買えるものではなかったのか。

それでもバレエを熱心に習っていた子どもたち、
習わせたかった親たち。国際的コンクールで
若手が数多く入賞する、今の日本のバレエの
レベルの高さは、こういう時代からの、
関わられた方の努力が実を結んだものだと実感。

第3章、笹本恒子が見た時代。写真展の広告を
見た時から気になっていた、1940(昭和15)年の
「日独伊三国同盟婦人祝賀会」。東条英機夫人が
主催したもの。ここから5年でこの夫人たちの
運命は大きく暗転する。それを知る者から見ると、
この晴れがましさからは、悲しさも感じる。

第4章、いつまでも現役…笹本恒子の今。パリの
「芸術家の家」(芸術家が暮らす老人ホーム)や
街並みのスナップ、そして、むのたけじさんのお写真。
自分の年齢につれ、気になるものもこうして移って
いくと思い知らされた。

笹本さんは私の祖母世代にあたる。女性にさまざまの
制限が課せられていた時代に活動を始められている。
活動はもちろん、お仕事が現在まで残っていることに、
心から敬意を払いたい。展示の解説にも、女性だから、と
他の写真家から皮肉を言われたことなども書かれて
いたものがあった。

もちろん、女性だからこそ(男性写真家には見せない
姿をモデルが見せてくれ)撮れた写真も多くあり、
それが結果的に個性につながっている、と思い
知らされた。

細く長く、あきらめず、自分にしかできない表現を
続けていくことの大事さが伝わった。

3階には、常設展示がある。新聞の歴史、瓦版から
近代新聞へ、また、戦争へ至った足跡もはっきり
わかる。報道統制、虚偽に満ちた記事には怒りを覚え、
同時に、同じ道を再び歩んではならないと記事の前で
誓った。

また、このフロアでぜひ見てほしいのは、
ピュリッツアー賞を受賞した、日本人写真家の
写真。日本の、世界の重い歴史がしかと切り取られて
いる。

笹本さんの展示は6/2(月)まで。ぜひ、多くの方に
ご覧いただきたい。

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