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2014/07/07

映画『春を背負って』 関わりあって、生きている

映画『春を背負って』を、仕事の合間を
縫って、見に行った。

(一部ネタバレあり)

松山ケンイチさん蒼井優さんの主演、
監督は木村大作氏。『劒岳 点の記』に続く作品。

前の記事でも書いたように、原作を読んでいて、楽しみに
出かけた。山の美しい自然、伝統的な日本映画の形式に
のっとったオープニング映像。
(幅広い世代が楽しめるのでは…)
そういう予感を抱く。

原作では奥秩父だった舞台が、立山連峰に移されている。
冒頭からその過酷な冬山登山と、長嶺勇夫(小林薫さん)・
亨(子役、成長後は松山ケンイチさん)の厳しい親子関係が
描かれる。いくら機材が昔と違って格段に軽いとはいえ、
キャスト、スタッフ皆さんのご苦労はいかばかりかと絶句した。

特に冬山を登った子役の少年、つらくてたまらなかったろうけれど、
撮影で一回りも二回りも成長したのではないか。

舞台は場所を移したものの、基本的に原作の流れに
従ってストーリーは進む。

救助の際に事故死した勇夫の後を継ぎ、外資系金融機関で
億単位の資金運用をする立場から、山小屋の主人に
転職する亨。一人息子を案じつつ、ふもとで民宿を営む
母の菫(檀ふみさん)、亨を手伝いに来た、勇夫の大学の
山岳部の後輩・ゴロさん(豊川悦司さん)。

そして、勇夫に助けられ、今は山小屋で働く、
高澤愛(蒼井優さん)…すべてのキャストの配役が
適材適所で、見ていて素直に感情移入して楽しめた。

登山ブーム、と言われて久しい。この作品でも、単独行で
道に迷ったり、予定通りに進まなければ、と天候を
無視して進む登山者が描かれる。そして、愛も、かつては
山で助けられたひとりだった。

もちろん彼らに山の苛烈な天気は容赦なく襲いかかる。
そして、猛烈な暴風雨の中、山岳警備隊の皆さんは、
そんな彼らを救助に出かける。現実もこのような、いや、
これ以上な過酷な中での救助活動なのだろうと思うと、
ただただ頭が下がるばかりだった。

冬の前、山小屋を閉める日にゴロさんが倒れ、助けに
皆で下山するのがクライマックス。ゴロさんは、
「好き勝手に生きてきた、だから好き勝手に死ぬ、
助けないでくれ」と言うが、そんなことを周りが許す
はずもない。ゴロさんを背負い、必死に山を下りる、亨たち。

この映画を見ていて浮かんだのは、「関わりあって、生きている」と
いう言葉。都会の快適な生活をしていると、気にしない人も
多いかもしれないが、自然との関わり無しには私たちの
生活は成り立たない。また、さまざまな形での、他人との
関わりもなければ、生きていくこともできない。

取り巻く自然に対して謙虚な態度を忘れず、ご縁ある
皆様を大事に思いつつ、実直に生きていくことの大事さを
改めて噛みしめた。

原作より一歩、亨と愛の関係は進んでいる。ラスト前、
母・菫の「良かった…」とつぶやきながらの微笑み、
心底安堵した様子がでていて、思わずほろりとした。
(数年後の、菫小屋の様子が見たい…)
エンディングを見つつ、そう思っている私がいた。

見に行く前に、蒼井優さんの出演なさる映画をよく
見ていることに気づいていた。blogで書くように
なってからだけで、今回で4本目。以前私が見た
ご出演作は、次の通り。

・『フラガール』(2006/12/23記事

・『おとうと』(2010/02/12記事

・『東京物語』(2013/02/11記事

作品ごとにその世界観をみずみずしく、鮮やかに演じられて
いて、素晴らしいといつも感服する。今回もしっかり者で
チャーミングな愛を見事に演じていらした。

まだ多くの映画館で上映中の『春を背負って』幅広い世代の、
多くの方に見ていただきたい。

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